第3回:配信事業者のデータ公開は進むか
公開日: 2022/12/16
2022年9月、米ロサンゼルスで開催されたカンファレンス“Variety Entertainment Technology Summit”より、ブラムハウス・プロダクションズ創始者兼CEOのジェイソン・ブラム氏、および同社社長のアビジェイ・プラカシュ氏による基調講演をレポートします。
ブラムハウス・プロダクションズ
ブラムハウスはジェイソン・ブラムが設立した制作会社で、これまでに150本以上の映画とテレビシリーズを手掛け、劇場興行収入は48億ドル以上を数えます。低予算ながら高品質な映画作品と挑戦的なテレビシリーズでその名を知られており、特にホラー分野で多くのヒットを記録しています。代表的な作品に『パラノーマル・アクティビティ』シリーズ、『ハロウィン』(2018年公開作)、ジョーダン・ピール監督『ゲット・アウト』、M・ナイト・シャマラン監督の『ミスター・ガラス』『ヴィジット』『スプリット』など。
※参考:ブラムハウス・プロダクションズ公式サイト(英語)
アンドリュー・ウォレンスタイン (Andrew Wallenstein)
米「バラエティ(Variety)誌」インテリジェンス・プラットフォーム代表兼チーフ・メディアアナリスト
基調講演者:
ジェイソン・ブラム (Jason Blum)
ブラムハウス・プロダクションズ創始者兼CEO
アビジェイ・プラカシュ (Abhijay Prakash)
ブラムハウス・プロダクションズ社長
特集連載第3回は、配信事業者の評価方法の見直しと、視聴データ公表による業界全体の健全化について、ブラムハウスの視点を紹介します。配信データを公表することで、エージェントやプロデューサー、クリエイターの理解やモチベーションが高まり、作品のクオリティも商業的価値も上がるという考え方に注目です。
※本記事で触れられている内容は2022年9月時点の情報です
配信視聴データ公表で、より健全なエンタテインメント業界へ
モデレーター
配信業者との取引においては、コスト・プラス・モデルで事前支払いを受けるものの、バックエンド(成功報酬)もデータも得られないことがあります。データなしで、ビジネスができるものでしょうか? この状況は改善されるのでしょうか?
アビジェイ(ブラムハウス・プロダクションズ社長)
配信事業者の評価方法の見直しが行われつつありますが、配信コンテンツにおける視聴者動向が、よりオープンに透明性のあるかたちで共有される流れになるでしょう。すでに、ニールセンをはじめ、多くのプレイヤーが試行錯誤を重ねてデータを公表し、Netflixは視聴作品のTOP10を発表するようになりました。……(以下、会員限定記事にて掲載)
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