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ユニバーサル:ノーラン『オデュッセイア』とスピルバーグ『ディスクロージャー・デイ』を軸に多彩なラインナップを発表〈CinemaCon2026 スタジオラインナップ発表・第4回〉
公開日: 2026/05/01

2026年4月13日から16日にかけて、米ラスベガスにて世界最大級の映画興行ビジネスのコンヴェンション「CinemaCon(シネマコン)」が開催されました。本特集ではCinemaCon2026における各スタジオによるラインナッププレゼンテーションをレポート。第4回は4月15日(水)夕方に行われたユニバーサル・ピクチャーズのプレゼンテーションです。
※本記事で触れられている内容は2026年4月時点の情報です。

ユニバーサル・ピクチャーズはCinemaCon2026の最終盤にプレゼンテーションを実施しました。ドナ・ラングレー氏(Chairman:NBCU Entertainment)、ジム・オア氏(President:Domestic Theatrical Distribution, Universal Pictures)、イルミネーションのクリス・メレダンドリ氏(CEO:Illumination)らが登壇し、フォーカス・フィーチャーズ作品を含む幅広いラインナップが紹介されました。スヌープ・ドッグのラップパフォーマンスで幕を開け、クリストファー・ノーラン監督、そしてMPA(Motion Picture Association)から「MPA America250 Award」を授与されたスティーヴン・スピルバーグ監督が初のCinemaCon登壇を果たすなど、話題性の高い顔ぶれが揃いました。なお、当日朝に別途“Forgotten Island”(北米公開:2026年9月)の初公開映像が披露されており、本セッション内では言及にとどまりました。

ドナ・ラングレー氏(Chairman:NBCU Entertainment)
Photo by David Becker/Getty Images for CinemaCon

夏のテントポール作品としてクリストファー・ノーラン監督が前半に登壇

The Odyssey(邦題『オデュッセイア』)”(北米公開:2026年7月17日)

クリストファー・ノーラン監督が登壇。出演はマット・デイモン、アン・ハサウェイ、トム・ホランド。ホメロスの叙事詩『オデュッセイア』を原作に、20年ぶりに王国と妻のもとへ戻ろうとするオデュッセウスの旅路を描きます。

ラングレー氏はノーラン監督について、「映画を限界としてではなく、開拓すべき『最前線』と捉え、その可能性を押し広げてきた」稀代の映画作家として紹介。ノーラン監督は16歳の時にシカゴの科学産業博物館で初めてIMAX映像を観て以来抱いてきた「IMAXで全編撮影する叙事詩」という夢を本作で実現したと語りました。新しいカメラやハードウェア、俳優の台詞をライブ録音できるケーシング技術を開発し、映画全体を初めてIMAXフォーマットで撮影したと説明。「IMAX 70mm、通常の70mm、35mm、DCP(1.85と2.40)」という多様なフォーマットでの上映が可能であるとアピールし、フッテージを上映しました。

クリストファー・ノーラン監督
Photo by David Becker/Getty Images for CinemaCon

様々なジャンルを提供:オリジナル、ラブコメ、ホラー、アートハウスまで

スヌープ・ドッグ 伝記映画”(北米公開:2027年)

冒頭にラップパフォーマンスを披露したスヌープ・ドッグ本人が登壇し、自身の伝記映画を発表。監督は『ハッスル&フロウ』のクレイグ・ブリュワー、プロデューサーはブライアン・グレイザー。R指定で、スヌープ・ドッグのルーツとなる90年代初頭の『Deep Cover』時代から物語が始まり、主演はジョナサン・デイヴィスが務めると発表されました。

スヌープ・ドッグ
Photo by David Becker/Getty Images for CinemaCon

One Night Only”(北米公開:2026年8月7日)

ウィル・グラック監督、モニカ・バルバロとカラム・ターナー主演のラブコメディ。ラブコメ映画のコンピレーション映像とともに「ラブストーリーは映画館にも必要だ」というメッセージが発信され、トレーラーが上映されました。

Other Mommy(仮)”(北米公開:2026年10月9日)

ロブ・サヴェッジ監督、ブラムハウス製作のオリジナルホラー。アカデミー賞受賞女優のジェシカ・チャステイン主演で、幸せな家族の家に恐怖が忍び込む物語。トレーラーを上映。

Violent Night 2”(北米公開:2026年12月4日)

サンタクロース役のデヴィッド・ハーバーが復帰するアクションコメディ『バイオレント・ナイト』の続編。クリスマス商戦に投入され、トレーラーを上映。

Fockers-in-Law(邦題『ミート・ザ・ペアレンツ/フィアンセの襲来』)”(北米公開:2026年11月25日)

「ミート・ザ・ペアレンツ」シリーズ誕生から26年、4作目の新作。ジョン・ハンバーグ監督・脚本、ベン・スティラー、ロバート・デ・ニーロ、アリアナ・グランデ、オーウェン・ウィルソンらが出演。今度はスティラーが「出迎える側の親」となる設定です。スティラーとデ・ニーロが登壇し、スティラーが「自分が今や新しいデ・ニーロ」とアピールする一方、デ・ニーロから「私は『レイジング・ブル』『グッドフェローズ』を作っていた」と一蹴される掛け合いで会場を沸かせました。

左からロバート・デ・ニーロ、ベン・スティラー
Photo by David Becker/Getty Images for CinemaCon

フォーカス・フィーチャーズ
Sense and Sensibility”(北米公開:2026年10月16日)

『プライドと偏見』を手がけたワーキング・タイトル・フィルムズ製作。ジェイン・オースティン著『分別と多感』の新解釈で、デイジー・エドガー=ジョーンズとジョージ・マッケイが主演。トレーラーを上映。

フォーカス・フィーチャーズ
Werwulf”(北米公開:2026年クリスマス)

『ウィッチ』『ライトハウス』のロバート・エガース監督による新作ホラー。「これまでで最も恐ろしい映画作品」と紹介され、ティーザー映像が披露されました。

イルミネーションから「ミニオン」シリーズ最新作

Minions & Monsters(邦題『ミニオンズ&モンスターズ』)”(北米公開:2026年7月1日)

ジャック・ブラック(クッパ役の声優)の登壇を経て、イルミネーションのクリス・メレダンドリCEOが登壇。『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』の世界的成功を報告し、任天堂の宮本茂氏と興行コミュニティへの感謝を表明しました。「ミニオン」シリーズ最新作はピエール・コフィン監督、クリストフ・ヴァルツが監督役、ジェフ・ブリッジズがスタジオボス役の声を担当。1920年代、西部のアメリカに迷い込んだミニオンの一団が映画作りへの愛を発見する、映画誕生を祝う物語です。コフィン監督がCinemaCon初参加で登壇し、2つのシーケンスが上映されました。

左からクリス・メレダンドリCEO、ジャック・ブラック
Photo by David Becker/Getty Images for CinemaCon

CinemaCon初登壇のスピルバーグが『ディスクロージャー・デイ』映像を紹介

プレゼンテーション後半では、スティーヴン・スピルバーグ監督へのMPA America 250 Award贈呈式が行われました。同賞はアメリカ建国250周年を記念した一度限りの特別賞。MPA会長兼CEOのチャールズ・リブキン氏は、スピルバーグ監督を「映画に何が可能かを示す人」「真のアメリカのレジェンド」として紹介しました。

スピルバーグ監督にとって初のCinemaCon登壇となり、「また来る」と表明。映画産業が「大画面と小画面」の闘いに直面するなか、コロナ後の興行界の再建が必要だと訴えました。

Disclosure Day(邦題『ディスクロージャー・デイ』)"(北米公開:2026年6月12日)

スピルバーグ監督の35本目の劇場公開作品。80年以上にわたり空で起こってきた現象の謎に挑むSF/スリラーで、真実への飢えを感じる人々、「全世界への完全開示」を目指す人々、そしてそれを阻止しようとする人々を描きます。司会のコールマン・ドミンゴ氏との対談で、スピルバーグ監督は『未知との遭遇』(50周年)の頃は「サイエンス・スペキュレーション」だったが、本作は「より真実に近いもの」として作られたとコメント。作品については「この映画は体験するしかない。シートベルトさえあれば良い」と前情報を最小限にとどめ、初解禁映像を上映しました。

左からコールマン・ドミンゴ氏、スティーブン・スピルバーグ監督
Photo by David Becker/Getty Images for CinemaCon

最後に

ユニバーサルのプレゼンテーションは、ノーラン監督の“The Odyssey(邦題『オデュッセイア』)”とスピルバーグ監督の“Disclosure Day(邦題『ディスクロージャー・デイ』)”という二大巨匠作品を軸に、伝記、ラブコメ、ホラー、ファミリーアニメ、フォーカス・フィーチャーズのアートハウス作品まで、幅広いジャンルが揃ったラインナップとなりました。これらの作品が日本市場でどのように展開されるか、今後の発表が注目されます。

特集:CinemaCon2026 スタジオラインナップ発表