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山崎貴監督が"State of the Industry"特別枠で登壇、ソニーは『スパイダーマン』とゲーム・アニメ路線を打ち出し<CinemaCon2026 スタジオラインナップ発表・第1回>
公開日: 2026/05/01

2026年4月13日から16日にかけて、米ラスベガスにて世界最大級の映画興行ビジネスのコンヴェンション「CinemaCon(シネマコン)」が開催されました。本特集ではCinemaCon2026における各スタジオによるラインナッププレゼンテーションをレポート。第1回は、14日(火)朝の"State of the Industry"特別枠でGKIDSが発表した『ゴジラ-0.0』、そしてソニー・ピクチャーズ エンタテインメントが13日(月)夜に披露したラインナップを取り上げます。
※本記事で触れられている内容は2026年4月時点の情報です。

“State of the Industry”特別枠で山崎貴監督が登壇、『ゴジラ-0.0』を発表

14日(火)朝の“State of the Industry”は、業界の現状を共有する基調セッションです。今年はその冒頭にGKIDSの特別枠が設けられ、山崎貴監督が登壇しました。CinemaConのオープニングセッションで、日本由来のIPに主役級のスポットが当たりました。

Godzilla Minus Zero(邦題『ゴジラ-0.0』)”(北米公開:2026年11月6日/GKIDS)

前作『ゴジラ-1.0』(2023年)は北米興収5,700万ドル超で、北米の実写外国語映画で歴代第3位、全世界では興収1億1,600万ドル超を記録しました。続編となる本作は日本映画として初のIMAX向けプロダクションとして製作されます。主人公・敷島浩一ら敷島家の「マイナスからゼロへの道のり」の物語が描かれると明かされました。発表の場では、メイキング映像と新作の初出しフッテージも上映。山崎監督はパンデミック中に前作の製作が中断・中止の危機に瀕した経緯にも触れ、「映画は映画館で完成する」「ゴジラの力で映画館文化を守り続けたい」と語りました。

山崎貴監督
Photo by David Becker/Getty Images for CinemaCon

『スパイダーマン』、アニメ、ゲーム原作で領域を拡張するソニー・ピクチャーズ
※作品は、プレゼンテーション順ではなく、公開日順に記載

コンヴェンション初日の4月13日(月)夜、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントがラインナッププレゼンテーションを実施しました。本記事では、【1】夏興行の柱となる『スパイダーマン』、【2】Crunchyroll/アニプレックス連携のアニメ路線、【3】グループ内外のIPを生かしたゲーム原作映画群の3軸のほか、【4】ドラマ・オリジナル作品にも触れ、ラインナップを整理します。

【1】夏興行の柱:『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』と「スパイダーバース」最終章

Spider-Man: Brand New Day(邦題『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』)”(北米公開:2026年7月31日)

主演を続投するトム・ホランドのバーチャル登壇メッセージに続き、映画冒頭の長尺シーンが上映されました。前作『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』の結末を受け、全員の記憶からピーター・パーカーが消えた後を描く物語で、ピーターとMJが見知らぬ者同士として再会するシーンが含まれます。デスティン・ダニエル・クレットンがメガホンを取り、キャストはトム・ホランド、ゼンデイヤ、ジェイコブ・バタロン、ジョン・バーンサル、マーク・ラファロほか。ホランドは「シリーズ史上最もエモーショナルかつ大人向けの作品」と紹介しました。前作は全世界19億ドルを記録したコロンビア・ピクチャーズ史上最高興収の作品で、本作の予告編は公開1週間で10億回以上再生という歴史的記録を達成したと伝えられました。

Spider-Man: Beyond the Spider-Verse(邦題『スパイダーマン:ビヨンド・ザ・スパイダーバース』)”(北米公開:2027年6月18日)

監督のボブ・ペルシケッティ、ジャスティン・K・トンプソンと脚本・プロデューサーのフィル・ロード、クリス・ミラーの計4名が登壇。「スパイダーバース」サーガの最終章で、別次元に取り残されたマイルス・モラレスが父を救うために旧友との関係を再構築する物語と紹介されました。ロード氏は本作を「最もエモーショナルなスパイダーバース作品」、ペルシケッティ監督は「最も壮大なスパイダーバース作品」と表現しました。アスペクト比1.43:1ですべてのプレミアムラージフォーマット(PLF)に対応します。

左から、脚本・プロデューサーのクリス・ミラー、フィル・ロード、監督のボブ・ペルシケッティ、ジャスティン・K・トンプソン
Photo by Monica Schipper/Getty Images for CinemaCon

【2】Crunchyroll/アニプレックスと連携したアニメ作品で世界興収を更新

今年、特に強く打ち出されたのがCrunchyroll/アニプレックスと連携したアニメ作品群です。アダム・バーガーマン氏(President、Domestic Distribution:Sony Pictures Releasing)は、『劇場版「鬼滅の刃」無限城編』が全世界興行収入8億ドル超を記録し、史上最高の国際映画として歴史を塗り替えたことを報告。劇場版『チェンソーマン レゼ篇』の大ヒットにも触れ、今後もアニメ作品に注力していく姿勢を示しました。両シリーズの継続に加え、北米で5月公開を控える『劇場版 転生したらスライムだった件 蒼海の涙編』を紹介しました。日本発IPと米国メジャーの組み合わせで、ソニーのラインナップ全体の地力を支える構図がより鮮明になっています。

アダム・バーガーマン氏(President、Domestic Distribution:Sony Pictures Releasing)
Photo by David Becker/Getty Images for CinemaCon

【3】グループ内外の人気タイトルから広がるゲーム原作映画群

ソニーは2026年から2028年にかけて、PlayStationタイトルを中心とするソニーグループ内のゲームIPと、任天堂やカプコンなど他社IPからもゲーム原作映画を相次いで公開します。

Resident Evil”(北米公開:2026年9月18日)

『バーバリアン』『ウェポンズ』のザック・クレッガー監督が登壇し、ゲーム『バイオハザード』の実写映画化を紹介しました。本作は1人の主人公がポイントAからBへ徒歩で移動する一本道の構成で、ゲームの雰囲気、物語の緩急、リソース管理、恐怖感を忠実に映画化するとされました。グレッガー監督は「ゲームの精神に忠実でありながら、ゲーム未経験者も楽しめる作品にする」と表明。短いティザー映像も上映されました。

Jumanji: Open World”(北米公開:2026年クリスマス/監督・脚本:ジェイク・カスダン)

ドウェイン・ジョンソン、ケヴィン・ハート、ジャック・ブラックの3名がサプライズ登壇。スニークピーク映像(未完成版)が上映されました。シリーズ累計全世界22億ドル超を誇る「ジュマンジ」シリーズの最新作で、監督・脚本はジェイク・カスダン。ジョンソンは、1995年のオリジナル版『ジュマンジ』のメインキャストである故ロビン・ウィリアムズへの敬意を表し、「この作品はロビンに捧げる」と述べました。

左からジャック・ブラック、ドウェイン・ジョンソン、ケヴィン・ハート
Photo by David Becker/Getty Images for CinemaCon

The Legend of Zelda”(北米公開:2027年5月7日)

任天堂の『ゼルダの伝説」シリーズの実写映画化。40年で1億8,000万本以上を販売してきたゲームフランチャイズで、ゲームの生みの親である宮本茂氏と、実写版『スパイダーマン』シリーズを手がけたプロデューサーのアヴィ・アラッド氏が共同で製作しています。監督はウェス・ボール。撮影は完了済み。

Helldivers”(北米公開:2027年11月10日)

PlayStationのゲーム『Helldivers』が大規模な製作体制で実写映画化。同シリーズはPlayStation史上最速の販売速度を記録し、2,400万本以上を販売、毎週250万人以上のアクティブプレイヤーを擁すると紹介。登壇したジャスティン・リン監督は、ファンコミュニティの情熱を映画に反映させる方針を表明しました。ジェイソン・モモアが出演し、ニュージーランドで数週間後に撮影開始予定です。

Bloodborne”(公開日未定)

フロム・ソフトウェアが開発したPlayStationの人気ゴシック・コズミックホラーゲームが、R指定のアニメーション映画として製作されます。ゲームIPに忠実な作品とされ、ファンの間で長年噂されていた映画化が正式に発表されました。

Grand Gear”(北米公開:2028年2月18日)

サンフォード・パニッチ氏(President:Sony Pictures Entertainment Motion Picture Group)が「ソニーは劇場公開にふさわしいビッグスイングに打って出る」として本作を紹介。山崎貴監督による初の英語作品で、プロデューサーはJ・J・エイブラムス、製作はBad Robot Productionsが務めます。詳細は未発表ながら早期のティザー映像が上映されました。冒頭の『ゴジラ-0.0』(GKIDS)に続き、CinemaCon2026で山崎監督の名前が2回にわたり呼ばれることとなりました。

サンフォード・パニッチ氏(President:Sony Pictures Entertainment Motion Picture Group)
Photo by David Becker/Getty Images for CinemaCon

【4】ドラマ・オリジナル作品も発表

ゲーム原作・フランチャイズ作品に加え、小説原作の実写化やオリジナル作品も披露されました。

The Social Reckoning”(北米公開:2026年10月9日)

『ソーシャル・ネットワーク』の続編的位置づけの作品で、Facebookの内部告発者フランシス・ホーゲンの実話を「ダビデとゴリアテ」の物語として描きます。キャストはマイキー・マディソン、ジェレミー・アレン・ホワイト、ジェレミー・ストロングほか。アーロン・ソーキン監督・脚本が登壇し、議会証言シーンなどのクリップ映像が披露されました。

Klara and the Sun”(北米公開:2026年10月23日//キャスト:ジェナ・オルテガ)

ノーベル賞作家カズオ・イシグロのベストセラー『クララとお日さま』をタイカ・ワイティティ監督で実写化。少女ジョジーに選ばれたAI搭載の「人工の友達」クララ(ジェナ・オルテガ)を軸に、友情とつながりをテーマにした希望の物語と紹介され、CinemaCon限定のファーストルック映像が上映されました。

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その他、ソニーのプレゼンテーションでは、ファミリーコメディ“The Breadwinner”(キャストのネイト・バルガッツィとマンディ・ムーアが登壇、北米公開:2026年5月29日)、『インシディアス』シリーズ最新作“Insidious: Out of the Further”(北米公開:2026年8月21日)、Sony Pictures Animationのオリジナル作品“Buds”(北米公開:2027年12月22日)、ニール・ブロムカンプ監督の“Starship Troopers”(公開日未定)などが発表されました。

特集:CinemaCon2026 スタジオラインナップ発表