第3回:変わらないこと:予告編の存在価値とマーケッター&フィルムメイカーの関係~特集:ユニバーサル、Netflixなどスタジオ幹部が語る映画マーケティングの現在
公開日: 2024/05/21
米ロサンゼルスで行われた「Variety Entertainment Marketing Summit 2024」(開催日:4月24日)に、米スタジオのマーケティング部門のトップが集合。劇場映画に欠かせないイベント性、リブート版戦略と文化的モーメントの創出、予告編の在り方などについて、議論を交わしたパネルディスカッションの模様をレポートします。
第3回は、予告編の存在価値、マーケッターとフィルムメイカーの関係について、見解が共有されました。
※本記事で触れられている内容は2024年4月時点の情報です
ブレント・ラング(Brent Lang)
Variety:エグゼクティブ・エディター
パネリスト
ジョシュ・ゴールドスティン(Josh Goldstine)
ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ・グループ:国際マーケティング部門代表
ドワイト・ケインズ(Dwight Caines)
ユニバーサル・ピクチャーズ:国内マーケティング部門代表
マリアン・リー(Marian Lee)
Netflix:マーケティング最高責任者
マーク・ワインストック(Marc Weinstock)
パラマウント・ピクチャーズ:国際マーケティング&配給部門代表
レベッカ・カーリー(Rebecca Kearey)
サーチライト・ピクチャーズ:国際マーケティング&事業オペレーション部門代表
予告編は映画のトーン設定&第一印象
モデレーターが、「観客の映画視聴体験が多様化するなか、予告編の存在価値に変化はあるか?」と問うと、全員が「予告編は今も、きわめて重要なツールだ」と口をそろえました。
サーチライトのレベッカ・カーリー氏は、「予告編の絶対的な強さは、映画を観に来ている劇場内で、観客に直接アピールできること。その体験にかなうものはない」と語りました。さらに、以前は各市場の文化や社会性に沿った、異なるバージョンの予告編を作っていたものの、「今は、すべてのパズルピースが密接につながっている」と予告編においても国境がなくなりつつあることに触れました。
Netflixのマリアン・リー氏は、社内で予告編をめぐる議論が頻繁に行われると明かしました。「Netflixにおいて、予告編の役割は何? という議論をよくします。私は、予告編は作品のトーン設定に欠かせないと信じています。何がやってくるのだろうという期待感を煽るものなのです。私たちがYouTubeで流している予告編は、600万回も再生されており、人々が楽しみにしていることが分かります。予告編は、映画の長期的かつ大規模なキャンペーンの“一拍目”として、とても重要です」。

スタジオ発信PRと草の根PRのコンビネーションで
パラマウントのマーク・ワインストック氏も同調。「私も、予告編は人々がその映画への興味の有無を判断する瞬間において、極めて重要だと考えています。最初の予告編解禁日にトレンドとなり、人々が映画に関心を寄せてくれることが、キャンペーンの始まりとなるのです」。さらに、ユーザー主導のパワーを強調したワインストック氏。「私たちはもはや、自力だけで公開初週末の興収を導くことはできません。今の時代は、スタジオ側が仕掛ける有料メディア・プロモーションと、ユーザーが草の根的に広げるメディア・プロモーションのコンビネーションで告知が広がります。有料広告についても、ネット上で広告を避けることはたやすいため、人々が見たいと思う魅力的なコンテンツを作り、とても説得力があるかたちでローンチする必要があるのです」。
ワーナーのジョシュ・ゴールドスティン氏も、「予告編は、映画の第一印象としてきわめて重要」と強調しつつ、キャンペーン全般において、スタジオ内の部門同士が密接に協力し合う時代になっている、と語りました。「ひと昔前のマーケティングはシンプルな分業制でしたが、今はパブリシティ部門からデジタル部門まで、全員がマーケティングの多領域を理解し、互いの仕事を補強し合います。そのため、予告編に続く一連のキャンペーンにおいても、チームワークがとても重要なのです」。
マーケッターは映画製作初期段階から関わる
ここでモデレーターが、「マーケッターは映画製作過程のどのあたりから参加していくのか?」と質問しました。
ユニバーサルのドワイト・ケインズ氏は、「キャスティング段階など、……(以下、会員限定記事にて掲載)
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