【第76回紅白勝敗予想】推しファン分析で紐解く『ミセス』率いる「白組優勢」の壁と、初出場『HANA』ら紅組新勢力の爆発力
公開日: 2025/12/19
2025年大晦日を彩る歌番組『第76回NHK紅白歌合戦』の出場アーティストが発表されました。今年も、アーティストを応援する「推しファン」がどのように紅白を盛り上げ、勝敗を左右するのか注目されます。今回、出場アーティストの「推しファン」の人数や属性から、推しファン層を紐解くとともに、初出場アーティストの人気と勢いを分析し、勝敗を予想しました。
- 女性若年層から支持される『Mrs. GREEN APPLE』、男性支持の『乃木坂46』
- 初出場アーティストの「推しファン人数」推移を分析~『HANA』の推しファン人数が急増
- 勝敗は紅白どちらに? 「推しファン人数」比較
『ミセス』がけん引する白組、初出場組の勢いが強い紅組
女性若年層から支持される『Mrs. GREEN APPLE』、男性支持の『乃木坂46』
『第76回NHK紅白歌合戦』の出場歌手は以下の通りです。※()内は紅白歌合戦出場回数 ※12月18日時点の情報をもとにしています
| 紅組 | 白組 | |
|---|---|---|
| アイナ・ジ・エンド(初) | &TEAM(初) | |
| あいみょん(7) | ORANGE RANGE(3) | |
| ILLIT(2) | King & Prince(6) | |
| 幾田りら(初) | 久保田利伸(2) | |
| 石川さゆり(48) | 郷ひろみ(38) | |
| 岩崎宏美(15) | サカナクション(2) | |
| AKB48(13) | 純烈(8) | |
| aespa(初) | SixTONES(4) | |
| CANDY TUNE(初) | TUBE(3) | |
| 坂本冬美(37) | Number_i(2) | |
| 髙橋真梨子(7) | 新浜レオン(2) | |
| ちゃんみな(初) | Vaundy(3) | |
| 天童よしみ(30) | back number(2) | |
| 乃木坂46(11) | BE:FIRST(4) | |
| HANA(初) | 福山雅治(18) | |
| Perfume(17) | 布施明(26) | |
| ハンバート ハンバート(初) | Mrs. GREEN APPLE(3) | |
| FRUITS ZIPPER(初) | 三山ひろし(11) | |
| MISIA(10) | M!LK(初) | |
| 水森かおり(23) | RADWIMPS(3) | |
| LiSA(4) |
上記のほか、「特別企画」で『堺正章』『氷川きよし』『星野源』『玉置浩二』が出演。
下記は、出場アーティストを推しているファン(推しファン)がどのように分布しているのかを可視化した「推しマップ」です。
横軸は「女性比率」、縦軸は「平均年齢」、バブルサイズは「推しファン人数」を示しており、マップの右に行くほど推しファンの女性比率が高くなり、上に行くほど平均年齢が高くなります。
紅白アーティストの分布を俯瞰すると、紅組=男性寄り、白組=女性寄りという対照的な構図が浮かび上がります。その中でも「推しファン人数」の規模で両横綱と言えるのが、白組の『Mrs. GREEN APPLE』と紅組の『乃木坂46』です。『Mrs. GREEN APPLE』は女性比率が高く、若年層を中心に圧倒的なボリュームを誇り、現在の白組の「核」となっています。一方、『乃木坂46』は、男性比率が高く、若年層から中堅層まで幅広い支持を集める紅組の象徴的な存在です。
また、初出場アーティスト(太字+下線)を見ると、ほとんどの出場アーティストの推しファンの平均年齢(横軸点線)以下に位置しており、若年層の視聴者確保という番組側の狙いがデータからも鮮明に見て取れます。
初出場アーティストの「推しファン人数」推移を分析~『HANA』の推しファン人数が急増
今年は10組アーティストが初出場を飾ります。以下は、2023年12月~2025年11月にわたる初出場アーティストの「推しファン人数」推移を表したグラフです。
グラフの実線は今期(直近12カ月)の「推しファン人数」の推移を表し、点線は前期(2023年12月~2024年11月)を表しています。両期間を比較すると、ほとんどのアーティストが前期から今期かけて大きく「推しファン人数」を伸ばしています。
初出場アーティストのなかで最も「推しファン人数」を伸ばしたのは紅組の『HANA』です。今年1月にオーディションプロジェクト「No No Girls」でデビューメンバーが決定した直後から「推しファン人数」が躍進しており、10月には31万人を記録するなど勢いを感じさせる動きになっています。また、アソビシステムに所属し、同社のアイドルプロジェクト「KAWAII LAB.」から誕生した紅組の『FRUITS ZIPPER』『CANDY TUNE』も前期から着実にファン層を拡大しています。
白組の初出場は『M!LK』『&TEAM』の2組で、こちらも前期から推しファンを増やしています。特に『M!LK』は、彼らの楽曲のフレーズ「ビジュイイじゃん」が新語・流行語大賞にノミネートされた11月調査で前月から急進。今まさに勢いが加速しているボーイズグループと言えるでしょう。
今年初出場を果たしたアーティストは、その活躍が高く評価されての選出となりましたが、背景にはデータにも顕著に表れている「推しファン人数」の大幅な拡大があったことが伺えます。
勝敗は紅白どちらに? 「推しファン人数」比較
『ミセス』がけん引する白組、初出場組の勢いが強い紅組
最後に、紅組・白組アーティストの「推しファン人数」を比較して、勝敗を予想してみます。下記は、2025年1月~11月の「推しファン人数」の月当たり平均値を用いて、紅白それぞれで出場アーティストを順位付けしたものです。
出場アーティストの月当たり「推しファン人数」の合計値を紅白それぞれで算出すると、紅組が116.2万人/月、白組が174.8万人/月と50万人以上の差があり、単純な積み上げでは、白組が有利という結果になりました。白組は『Mrs. GREEN APPLE』『SixTONES』『Number_i』といった巨大なファンベースを持つグループが複数出場していることが強みです。
しかしここで、初出場アーティストに着目してみます。紅組は2位に『HANA』、3位に『FRUITS ZIPPER』、4位に『aespa』と上位にランクイン。『ちゃんみな』『CANDY TUNE』も7位、8位と続いており、勢いを感じさせます。一方で、白組の『&TEAM』『M!LK』は「推しファン人数」の規模が小さく、9位、12位に位置しています。初出場アーティストに絞って「推しファン人数」の合計値を比較すると、紅組は47.1万人/月、白組は7.8万人となりました。紅組の初出場組は紅組全体の約4割を底上げしているほか、白組初出場組の5倍以上になる計算です。
順当に行けば、推しファン人数の母数で勝る「白組」の勝利が濃厚です。しかし、紅組の初出場アーティストは前述の通り勢いを増してきており、出場組数も多いことから、今後さらに推しファンの熱量が高まり、当日のパフォーマンスの爆発力が視聴者の胸を打てば、紅組の勝利も十分に考えられるでしょう。2025年の紅白は、白組の「盤石さ」と紅組の「新世代の勢い」が激突する、目の離せない一戦となりそうです。
毎月約3万人、全国に住む15~69歳の男女に対して、メディアを横断し「いま、推しているエンタメブランド」に関する大規模調査を実施。エンタメブランドの価値をメディア横断でとらえ、<推しファン人数><支出金額><接触日数>を集計しているほか、これらの値から総合指標<推しエンタメブランド価値(単位:GEM)>を算出しています
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