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世界14カ国ゲームIP勢力図:圧倒的優位を誇る『マリオ』
公開日: 2026/02/13

特集:世界14カ国17,000サンプルのファンダム調査 第2回

世界のビデオゲーム市場は極めて競争が激しい市場であり、日本と米国のIPが熾烈な争いを繰り広げています。さらに近年では、韓国の『PUBG』や中国の『黒神話:悟空』『原神』など、アジア系のIPも世界的な人気を博しています。特集「世界14カ国17,000サンプルのファンダム調査」の第2回は、具体的に日本のゲーム関連エンタメブランド(IP)はどの程度世界に受け入れられているのか深掘りしました。

競争市場において日本IPが優位に立つ

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上記はビデオゲームをオリジナルとするフランチャイズのファンダム規模国別TOP10です。フランチャイズにはゲームをはじめ、映像作品、マーチャンダイズなど関連商品を含んでいます。米国を拠点に活躍し日本ポップカルチャーを強みとするマーケティングリサーチャー集団「FanserveUs」のジョン・マッカラムCEOは、GEM Partnersが世界14カ国17,000サンプルを対象に実施した「グローバルエンタメファンダム調査」の結果を詳細に分析。マッカラム氏はその内容を記した「KAIJU Report」のなかで、「ゲームの人気はアクセスの容易さ、およびファンが自然にそのIPに接触する経路に依存するが、マリオは依然として広範に優位を占めている」と指摘し、市場で圧倒的な優位を誇る「マリオ」の存在を挙げました。

また、同氏は地域ごとのインフラ格差にも着目し、「コンソールの普及率が低い新興市場においては、アプリ発のゲームの価値が明確に高いことが示されている」と分析。グローバル展開におけるデバイス特性への最適化が、市場掌握の鍵であることを示唆しています。

日本製であることは成功のドライバー

マッカラム氏は、日本のゲーム開発者が持つ独特のスタンスが、グローバルな成功を収める上での「逆説的な鍵」になっていると分析を続けます。「グローバル市場の嗜好を意識することなく、ひたすら自身の創作に専念するアーティスト像は、ある者にとっては夢であり、日本の著名スタジオにとっては現実である」とマッカラム氏は説きます。

そして日本のゲーム業界について、「国内志向を強みとして掲げながらも、世界的な高評価と支持を確立してきた」と捉え、こうした「“内向きの姿勢”こそが、世界中のファンや批評家の関心と忠誠を引き出す鍵となっている」と訴えます。

しかし、この「日本流」の強みが万能ではないことも、今回の調査結果は示唆しています。以下は「日本の方が米国よりもビデオゲームの質が高い」と同意する人の割合を示した国別調査です。14カ国中12の国で50%以上を超えていますが、米国とナイジェリアは50%未満となりました。

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マッカラム氏は、「スタジオが乱立し飽和状態にある米国や、コンソール優位が低く、優れたモバイルゲームの選択肢が豊富にあるナイジェリアでは、その強みは必ずしも発揮されていない」と警鐘を鳴らします。

日本IPがそのブランドパワーを維持しつつ、真のグローバル・リーダーであり続けるためには、独自のクリエイティビティを核に据えながらも、市場ごとのインフラや競争環境に即した柔軟なプラットフォーム戦略が求められていると言えるでしょう。

出典:「グローバルエンタメファンダム調査 2025 KAIJU Report
アメリカ、インド、フランス、韓国など世界14カ国を対象に、アニメ、マンガ、映画、ドラマ、J-POP、ゲーム、クリエイター、アーティストなどといった多様な日本のポップカルチャーの価値・ポジションを調査。
特集:世界14カ国17,000サンプルのファンダム調査

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