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『ダウンタウン』ら人気芸人と推しファンを結ぶメディアは「テレビ」か「ネット」か
公開日: 2026/01/22

近年、ブレイクするお笑い芸人・タレントは、以前のようにテレビ番組への出演で認知や人気を得るだけでなく、YouTubeに代表される投稿型のネット動画サービスや、SNSなどを通じてファンに笑いを届けるなど、多様なフィールドで活躍しています。今回は、お笑い芸人・タレントを推すファンの人数「推しファン人数」と、テレビ番組や投稿型の動画サービス、SNSなどの「メディア接触率」のデータを用いて、どのメディアを通じて推しファンを増やしているのかを探ります。

《目次》
 

推しファン人数ランキングTOP50:芸人の接触メディア傾向

まず、人気お笑い芸人・タレントのメディア接触状況から、具体的に誰がどのメディアを“主戦場”としているのかを具体的に見ていきます。下記は2025年のお笑い芸人・タレントの「推しファン人数」ランキングTOP50です。図の右側には、推しファンにリーチしたメディアの接触率TOP3を併記しています。

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TOP50中、推しファン接触率1位のメディアは、「テレビ番組」「投稿型の動画サービス」「ラジオ番組・ポッドキャスト」の3つが占めており、これらは人気お笑い芸人・タレントにとって推しファンにリーチする主要メディアといえます。

1位が「テレビ番組」の芸人・タレントは、2位・3位に「動画配信サービス」「投稿型の動画サービス」が入るケースが目立ちます。テレビ番組や見逃し配信などで広く認知と人気を獲得しつつ、YouTubeなどの自由度が高いメディアで、尖ったネタや企画を展開し、ファンを惹きつけていると推察されます。

一方、1位が「投稿型の動画サービス」の芸人・タレントは、2位以下に「SNS」が入っていることが多く、「テレビ番組」が上位に入らないケースが散見されます。このことから、テレビを”主戦場”とする芸人とは異なるメディア接触状況が伺えます。YouTubeやSNSをファンが回遊することで、ネットのなかでエンゲージメントが醸成されているのではないでしょうか。

「ラジオ番組・ポッドキャスト」での接触が1位の芸人・タレントを見ると、2位に「テレビ番組」、3位に「SNS」が続くケースが主流です。ラジオでの「しゃべくり」を通じて推しファンと深くつながりつつ、テレビ番組での露出によってニッチな領域に留まらず、広範な認知を獲得していることを示しています。さらに、ラジオ放送との親和性が高いSNSが共有・拡散を担っており、各メディアが相互に補完し合う接触状況が特徴と言えます。

 

「推し分析マップ」でみる、性年代別接触メディア傾向

ここからは、性年代別にお笑い芸人・タレントが活躍する主要な3つのメディアの関係を見ていきます。下記は、上述した「推しファン人数」TOP50のお笑い芸人・タレントについて、推しファンの女性比率と平均年齢をマッピングした散布図です。横軸が推しファンの女性比率、縦軸が平均年齢を表し、接触率1位のメディアで色分けしています。

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推しファン接触率1位のメディアが「テレビ番組〈紫〉」のお笑い芸人・タレントは、散布図の左右に広く分布し、年齢の平均値を示す点線より上側に比較的多く位置しています。男女幅広く、やや年齢の高い層に支持されていることを示します。『ダウンタウン』『千鳥』『かまいたち』『有吉弘行』『バナナマン』など、テレビの地上波で冠番組を持っている芸人が多いことが分かります。

一方、接触率1位のメディアが「投稿型動画サービス(YouTube、TikTokなど)〈橙〉」のお笑い芸人・タレントは、点線より下側に多く位置しています。『さらば青春の光』『令和ロマン』『狩野英孝』『ラランド』『タイムマシーン3号』『紅しょうが』らは、「テレビ番組」を主とする芸人に比べて、比較的年齢の低い層に支持されているといえます。

また、「ラジオ番組・ポッドキャスト〈緑〉」が接触率1位のメディアであるお笑い芸人・タレントは、散布図の4つの象限に分散しています。推しファンの年齢層が高めの『ナイツ』『伊集院光』『中川家』、対照的に年齢層が低い『真空ジェシカ』『マユリカ』『霜降り明星』、平均年齢に近い層に支持されている『オードリー』『空気階段』『三四郎』『マヂカルラブリー』など多岐にわたります。ファンの“耳”に笑いを届ける芸人は、性別や年齢を問わず、幅広い層に支持されていることが分かります。

今回の調査により、比較的年齢層の高い推しファンにリーチしている「テレビ番組」、反対に若年層にリーチしている「投稿型の動画サービス」、幅広い年齢層に届いている「ラジオ番組・ポッドキャスト」と、お笑い芸人・タレントが主に活躍する3つのメディアの特徴が明らかになりました。

それぞれの"主戦場"を持つお笑い芸人たちによって、"お笑いエンタメ"の盛り上がりは、今後も一層多様なものになるのではないでしょうか。また、選択肢が増えた結果、特定のファン層に効果的にアプローチするためには、データに基づき、ターゲットに合わせた最適なメディアを選択することが必要不可欠であるといえます。

出典:「推しエンタメブランドスコープ
毎月約3万人、全国に住む15~69歳の男女に対して、メディアを横断し「いま、推しているエンタメブランド」に関する大規模調査を実施。エンタメブランドの価値をメディア横断でとらえ、<推しファン人数><支出金額><接触日数>を集計しているほか、これらの値から総合指標<推しエンタメブランド価値(単位:GEM)>を算出しています

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