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「推し活」市場の成長をけん引するのはだれか(前編)
公開日: 2026/03/16

特集:3年間の推し活データが示す市場構造の変化_第1回

「推し」を見つけて熱心に応援する「推し活」は今や日常の一部として定着しつつあります。アーティスト、俳優、アニメ、キャラクター、VTuberなど、お気に入りの「推し」への支出から成り立つ推し活市場はどのように変化しているのでしょうか。本稿では、推し活を「推しファン」市場としてとらえ、3年分のデータを活用し、市場を盛り上げているのは誰なのか、そしてその変化を紐解きます。

《目次》
 

「推しファン」市場規模は3年前から33%拡大

エンタメブランドを推しているファン「推しファン」のデータは、全国の15歳~69歳の男女、約3万人を対象に毎月実施している消費者調査で収集しています。本調査は「いま、推しているエンタメブランド」をあらかじめ用意された選択肢から選ぶのではなく、「自由回答方式」で集計しており、単なる認知にとどまらない、熱量の高い「より濃いファン」の実態を定量的に抽出することができます。今回は、推し活市場の動きをとらえるために、2026年2月の最新データから3年前まで遡り、「推しファン」の人数や支出金額に着目して分析します。

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2026年2月の推しファンによる総支出金額は2,761億円/月でした。推移を見ると、3年前の2023年2月調査時の2,070億円/月から右肩上がりに33%伸びています。次に推しファン人数の動きを見てみます。

 

市場拡大は推しファン人数の増加ではなく、1人あたり支出金額の拡大が要因

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2026年2月における「推しファン人数」は3,824万人を記録しました。推移に着目すると、2023年2月調査時の3,837万人から-0.3%と微減しており、3年間ほぼ横ばいになっています。

前述の総支出金額を推しファン人数で割って算出する「1人あたりの月間支出金額」は、2023年2月の5,395円/月に対し、2026年2月には7,220円/月へと増加しています。つまり、「推しがいる人の数」が増えているのではなく、推しファン1人あたりの支出金額拡大が、推し活市場を押し上げているのです。

では、この支出金額の伸びは、どのような推しファンがけん引したのでしょうか。推しファンのセグメント別に支出金額の変化を見ることで、特に伸びている層を明らかにしていきます。

 

支出増をけん引する「人生の一部である/信者」「大ファン」のコアファン層

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上記チャートは、各エンタメブランドへの支出金額を「ファンスケール」別に集計したものです。「ファンスケール」とは、推しファンが推している各エンタメブランドに対して、どれくらいの熱量なのかを調べたものです。3年間を通して、熱量が最も高い「人生の一部である/信者」(青)と回答したエンタメブランドに対する支出の合計額が、終始最大でした。増加額に着目すると、「大ファン」(赤)が最も伸びており、2023年2月の699億円/月から、2026年2月には959億円/月と259億円増加しています。次いで「人生の一部である/信者」は225億円/月と続いています。このことから上記2つの「コアファン」層が、市場規模の拡大を支えていることが分かります。

次に、上記のコアファン層が増加しているかどうかを確認するため、ファンスケール別に推しファン人数の推移を分析します。

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「人生の一部である/信者」(青)は、全体の中では決して多くありません。前述のとおりファンスケール別の支出金額計では最大となっていることから、この層の支出傾向は非常に高く、今後の市場規模拡大のために育成が重要であることが分かります。

次に人数の推移を見ると、支出金額をけん引していたコアファン層(「人生の一部である/信者」[青]、「大ファン」[赤])はほぼ横ばいで推移しています。これにより市場規模の拡大は、コアファン人数の増加によるものではなく、コアファン層における「1人あたりの支出金額の増加」がけん引しているという構造が浮き彫りになりました。

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「推しファン」市場はこの3年間、人数はほぼ横ばいであるものの、1人あたりの支出金額の増加によって成長してきました。そして特に熱量が高いコアファンである「人生の一部である/信者」「大ファン」層の消費拡大が成長をけん引していることが分かりました。後編では、年代別の推しファンによる支出金額の伸びと、具体的な支出カテゴリの推移を追いながら、「誰が何にお金を使っているのか」をさらに深掘りしていきます。

出典:「推しエンタメブランドスコープ
毎月約3万人、全国に住む15~69歳の男女に対して、メディアを横断し「いま、推しているエンタメブランド」に関する大規模調査を実施。エンタメブランドの価値をメディア横断でとらえ、<推しファン人数><支出金額><接触日数>を集計しているほか、これらの値から総合指標<推しエンタメブランド価値(単位:GEM)>を算出しています
特集:3年間の推し活データが示す市場構造の変化
  • 第1回:「推し活」市場の成長をけん引するのはだれか(前編)
  • 第2回:coming soon