基調講演①興行 【前編】 「注目すべき巨大成長市場インドと世界興行市場のいま」
公開日: 2023/05/20
米ラスベガスにて開催された世界中の興行会社と配給会社が集まるコンベンション「CinemaCon(シネマコン)2023」(開催期間:4月24日~27日)から、初日に行われた“INTERNATIONAL DAY”の模様をレポート。本記事ではインド最大の映画興行会社PVR INOXのマネージング・ディレクターであるアジャイ・ビジリ氏の基調講演【前編】をお送りします。
※本記事で触れられている内容は2023年4月時点の情報です
アジャイ・ビジリ(Ajay Bijli)
PVR INOX Limited:マネージング・ディレクター
PVR Cinemas(PVR Cinemas):創設者
映画館は常に進化を続けています。時代にあわせて、独自性のある新しいマーケティング・サービスや体験の提供に挑戦していくことは容易いことではありません。しかし、それに挑戦し続けているのが、インド最大の映画興行会社PVR INOXです。アジャイ・ビジリ氏は同社が運営するシネコンチェーンPVR Cinemasの創設者として、25年以上にわたって何百万人ものインド人の映画鑑賞習慣を変え、彼らに世界クラスの映画体験を提供し続けています。
インドの映画興行市場:映画館は世界で最も入場者数の多い「アウト・オブ・ホーム・エンタテイメント」
CinemaConの初日に行われた“INTERNATIONAL DAY”のトップを飾る基調講演に、映画興行会社PVR INOXのマネージング・ディレクター、アジャイ・ビジリ氏が登壇しました。ビジリ氏は講演の機会を得たことの感謝を伝えるとともに、「世界興行のトレンド、映画館の復活に必要なことに関する提言、そして盛り上がっているインド映画興行についてできる限り紹介していきたい」と切り出し、インドの映画業界の状況から話し始めました。
まず、インドは現在世界5位の経済大国であり、14億人を超える世界最大の人口を抱え、その65%は35歳以下であり、世界で最も多くのミレニアル世代とZ世代を抱えていることが告げられました。そして、「映画に夢中な国民」であるとして、大ヒットしたインド映画『RRR』を引き合いに出し、「インドの映画館が、世界で最も入場者数の多いアウト・オブ・ホーム・エンタテイメント(※)であることを目の当たりにしました」と盛況なインド映画興行について触れました。さらにインドでは、20以上の言語で年間1800本以上の映画が製作されているほか、2022年にインドの総興行収入は北米を抜き、13億ドルを超えてコロナ禍以前となる2019年の水準に匹敵することが明かされました。
※アウト・オブ・ホーム・エンタテイメント:映画館、アミューズメントパーク、ウォーターパーク、水族館などエンタテイメントを体験できる施設
世界の映画興行市場:順調に回復し、2023年第1四半期はコロナ以降最高値を記録
続いてビジリ氏は世界の映画興行市場を取りあげ、これまで映画産業は第一次世界大戦、スペイン風邪、テレビ、第二次世界大戦、ビデオ、ケーブルテレビ、DVDなどに至るまで数十年にわたって多くの困難に直面してきたものの、映画産業は常に勝利してきたことを強調。そして現在直面している、動画配信サービスの台頭という困難な局面も同様に乗り越えられることを訴えました。
ビジリ氏によると、世界の映画産業は好調に推移しており、例えばアメリカの場合、……(以下、会員限定記事にて掲載)
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