『大谷翔平』ほか日本人選手と『ドジャース』推しファンの関係をデータで紐解く
公開日: 2025/11/12
2025年11月1日(現地時間)に行われた『メジャーリーグベースボール(MLB)』のワールドシリーズ第7戦は、『ロサンゼルス・ドジャース』の勝利で幕を閉じ、その結果同シリーズでの2連覇が達成されましたが、ワールドシリーズ開幕前の直近の調査では、『ドジャース』『大谷翔平』の「推しファン人数」が過去最高値に達していました。そこで今回、連覇に貢献し、通算4度目のリーグMVP を獲得した『大谷翔平』の推しファンに着目し、『ドジャース』の推しファン増加に影響を与えたのか、動向を探ってみました。
『大谷翔平』『ドジャース』『MLB』の「推しファン人数」が最高値を記録
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上記は、『ロサンゼルス・ドジャース』(以下、ドジャース)に関連したエンタメブランドの「推しファン人数」の推移を表したグラフです。『大谷翔平』『MLB』、そして『ドジャース』の「推しファン人数」は近年右肩上がりに上昇し、最新値となる2025年10月の値は2021年1月の調査開始以来の最高値に達しました。「推しファン人数」が最も多い『大谷翔平』は、前月比15万人増の47万人を記録。『ドジャース』のほかの日本人選手『山本由伸』『佐々木朗希』と比較しても、推しファン人数が突出して多いことが分かります。
ここで、『ロサンゼルス・エンゼルス』(以下、エンゼルス)と『ドジャース』の推移に注目してみます。『大谷翔平』が『エンゼルス』から『ドジャース』に移籍した2023年12月前後の「推しファン人数」をみると、移籍に合わせて両球団の推しファン人数が入れ替わるように変化していることが分かります(チャート赤枠参照)。その後『ドジャース』は、『大谷翔平』の上昇に合わせて増加しているように見えます。果たして『ドジャース』の推しファンは、『大谷翔平』の影響で増えているのでしょうか。推しファンの重なりに着目してデータを見ていきます。
『大谷翔平』の推しファンは『ドジャース』も推しているのか
『ドジャース』と『大谷翔平』の推しファンの重なりを確認するために、まずは『ドジャース』の推しファンが挙げる「他に好きなエンタメブランド」を調査しました。移籍発表があった2023年12月から最新の2025年10月の平均をみると『大谷翔平』がTOPで、『ドジャース』の推しファンの多くが、『大谷翔平』も推している結果となりました。
次に、『大谷翔平』の推しファンが『ドジャース』推しになる可能性を探るために、『大谷翔平』の推しファンが挙げる「他に好きなエンタメブランド」TOP5を半年ごとに見てみます。
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2023年4月と同年10月のTOP5を見ると、当時在籍していた『エンゼルス』が上位に入っていません。さらに移籍後、シリーズ開始から約1カ月後にあたる2024年4月は『ドジャース』も圏外でした。しかし、2024年10月に4位にランクインした後、ワールドシリーズでの優勝を契機に順調に上昇を続け、今年のシリーズ開幕後の4月には1位になり、最新10月のデータでも首位を維持しています。このことから、『大谷翔平』の推しファンのなかで、時間とともに『ドジャース』推しが醸成され、その推しファンが徐々に増加していると言えます。
一方、直近1年間の『山本由伸』『佐々木朗希』の推しファンが挙げる「他に好きなエンタメブランド」を調べると、どちらも2位は『大谷翔平』、3位には両選手が相互にランクインするものの、『ドジャース』はランキング圏外でした。これは、あくまでドジャースに所属する日本人“選手”推しにとどまり、チーム全体の“箱推し”には広がっていないことを示しています。
今回の推しファン調査で、『大谷翔平』『ロサンゼルス・ドジャース』『ロサンゼルス・エンゼルス』の「推しファン人数」の推移と、推しファンの「他に好きなエンタメブランド」から、『大谷翔平』の推しファンがチーム全体を応援する“箱推し”へと変化している兆候が見られました。これは、スター選手の入団が、チーム全体の推しにつながり、より持続可能なファンベースの形成に貢献する可能性があることを意味します。その意味で、『ロサンゼルス・ドジャース』にとって『大谷翔平』の移籍は、競技面だけでなく、日本における「推され度」でも大きな影響を及ぼしたと言えるでしょう。
毎月約3万人、全国に住む15~69歳の男女に対して、メディアを横断し「いま、推しているエンタメブランド」に関する大規模調査を実施。エンタメブランドの価値をメディア横断でとらえ、<推しファン人数><支出金額><接触日数>を集計しているほか、これらの値から総合指標<推しエンタメブランド価値(単位:GEM)>を算出しています
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