「君の名は。」VS「アナ雪」 - 世代超え社会現象の兆候
公開日: 2016/09/30
世代超え社会現象の兆候
新海誠監督作品「君の名は。」は5週連続1位となり、興行収入111億円を突破した。公開時には10代男女を中心に高い話題性を喚起したスタートであった。
特に10代女性は「映画は2人以上で見る」「友達との話題・社交のために映画を観(み)る」という割合が高く、火が付くと1人の意欲が動員を拡散する度合いが強い。10代男性の意欲も高まり「10代の誰もが見るべき映画」となり、前週比でも興収が増えるというメガヒットとなった。
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(C)2016「君の名は。」製作委員会/『君の名は。』 2016年8月26日公開
公開5週目時点の勢いは、2014年に254.8億円を記録した「アナと雪の女王」を超えている。さらに興収上位には、262億円を記録した「タイタニック」、304億円を記録した「千と千尋の神隠し」がある。今後勢いを維持し、これらの作品に迫り超えていくかは「世代を超えた社会現象」となれるかにかかるが、すでにその兆候が見られている。
先週末時点の映画鑑賞意欲度調査結果を見ると、男性30~50代の意欲度が大きく伸びている。100億円越えのニュースと相まって多くの報道番組で本作のヒットが取り上げられたことも功を奏しているだろう。新海監督の前作「言の葉の庭」は最終興収1億~2億円だった。天才クリエイターがビジネスの力を借りてこれだけ多くの人に幸せな時間を提供したことに感動を覚える。映画には夢がある。映画を作ることにも夢があると感じさせる素晴らしいヒットといえるのではないか。
(GEM Partners代表、梅津文)=毎月最終金曜日掲載
◆掲載元◆
毎日新聞: シネマの週末・データで読解 「世代超え社会現象の兆候」 (毎日新聞2016年9月30日 東京夕刊)
補足データ:『君の名は。』と『アナと雪の女王』の比較
上記記事中の「公開5週目時点の勢いは2014年に254.8億円を記録した「アナと雪の女王」を超えている。」「これらの作品に迫り超えていくかは『世代を超えた社会現象』となれるかにかかるが、すでにその兆候が見られている。」というくだりに関する補足です。
◆ ◆ ◆
まず、週末土日二日間の興行収入と累積興行収入の推移を整理した。
『君の名は。』の興行収入はスタート時点では「アナ雪」を上回っており、5週目時点までよりハイペースの動きである。
一方、「アナ雪」はその後8週目時点(ゴールデンウィークのあたり)でもう一度大きな山がきていて、12週目ぐらいまで高い値をキープしている。
この展開において、観客層はどのように変わっていたのか。次に性年代別の劇場鑑賞意欲の推移をみてみる。
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興行収入の推移 |
以下の図では、弊社の映画浸透度調査・興行シミュレーション値レポート「CATSシリーズ」内のデータから、「アナ雪」の公開12週前から公開20週目までの劇場鑑賞意欲の推移を性年代別に整理した。調査対象は全国に住む15歳から69歳の映画参加者(過去一年間に一本以上映画館で映画を観た人)で、折れ線グラフは若い年代ほど色が薄く、高い年代ほど色が濃い。縦の垂直の線が公開週である。
興行展開中に世代交代があった「アナ雪」
こうしてみると、アナ雪は、興行の展開の中で鑑賞意欲者の「世代交代」があったことがうかがえる。
女性を中心に、若い人が最初に反応し、ヒットが幅広い年代に話題を広げ、若い人たちの多くが「もう見た」状態になった中でも興行を下支えしている。(もちろん若い年代の人のリピーターも多かったと考えられるが)
世代の格差が大きい『君の名は。』では『君の名は。』性年代別の意欲者層はどのようになっているのか。以下のとおり同様の図にデータを整理した。 |
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