ユニバーサル:最も多くの拡大公開作品を提供、25年のテントポール作品と多彩なラインナップとともに、“史上最強”の26年ラインナップを紹介<CinemaCon2025 スタジオプレゼンテーション>
公開日: 2025/04/16
2025年3月31日から4日間にわたり、米ラスベガスにて世界最大級の映画興行ビジネスのコンヴェンション「CinemaCon(シネマコン)」が開催されました。本特集では各スタジオによる今後のラインナッププレゼンテーションをレポート。第6回は4月2日(水)15:45から開催されたユニバーサル・ピクチャーズのプレゼンテーションです。
※本記事で触れられている内容は2025年4月時点の情報です。
ユニバーサル・ピクチャーズのプレゼンテーションは、同社の映画音楽を実際に手掛けているオーケストラが生演奏を披露する豪華な幕開け。同社のサウンドロゴにはじまり、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『ヒックとドラゴン』『サイコ』『ジョーズ』『ワイルド・スピード』『怪盗グルー』『シュレック』『教皇選挙』『オッペンハイマー』『E.T.』『ウィキッド ふたりの魔女』など、過去から今に至る名作の楽曲の数々が披露されました。

NBCユニバーサルからは幹部陣が登壇し、同社の劇場映画事業の現状と展望を語りました。冒頭を飾ったのはドナ・ラングレー会長(Chairman:NBCUniversal Studios & Entertainment)。「映画興行は今なお力強いアートフォーム」と強調。パンデミック以降、最も多くのワイドリリース作品を提供し、世界興収45億ドル超を記録したスタジオの一つとして、質・量ともに業界をけん引していることを示しました。

Photo by Jerod Harris/Getty Images for CinemaCon 2025
配給部門のピーター・レヴィンソン氏(Vice Chairman & Chief Distribution Officer:Universal Filmed Entertainment Group)は、『ジュラシック・ワールド/復活の大地』を含む注目作を紹介。アニメからは、『怪盗グルー』シリーズや『カンフー・パンダ4 伝説のマスター降臨』の好調を背景に、「イルミネーションとドリームワークスは依然として業界最強のファミリーブランド」と述べました。
ドリームワークス・アニメーション代表のマーギー・コーン氏(President:DreamWorks Animation)は、オリジナル作品『野生の島のロズ』の成功を報告。批評家からの高評価と80以上の受賞歴を誇る作品として、同社の創造力を示しました。

Photo by Jerod Harris/Getty Images for CinemaCon 2025
フォーカス・フィーチャーズ代表のピーター・クヤフスキー氏(Chairman:Focus Features)は、「インディペンデント映画は映画文化の受粉者」と再定義。映画館がもたらす地域社会とのつながりや文化的影響力の重要性を強調しました。

Photo by Jerod Harris/Getty Images for CinemaCon 2025
劇場配給部門代表のジム・オア氏(President、Domestic Theatrical Distribution:Universal Pictures)は、ホラーやアニメを中心とした2026年のラインナップを発表。『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』『ミニオンズ』『シュレック』の新作に加え、スティーヴン・スピルバーグ監督とクリストファー・ノーラン監督による大作が控えていることを共有し、「史上最も意欲的な年」として自信をのぞかせました。
ラインナップ発表
25年は『ジュラシック』シリーズ最新作や“M3GAN 2.0”、『ウィキッド』後編など大ヒット作品の続編を中心に発表。26年はスピルバーグ、ノーラン両監督作と『ミニオンズ』『マリオ』続編が控える
※作品は、プレゼンテーション順ではなく、公開日順に記載
“Drop”(北米公開:2025年4月11日/ブラムハウス)
来週の金曜日(4月11日)に公開が控えるスリラー映画。サウス・バイ・サウスウエスト(SXSW)で上映したところ、非常に良い反応だったとのコメント。ブラムハウスでは、1年に最低1つはオリジナルが必要だと考えていることが述べられました。
“The Phoenician Scheme”(北米公開:2025年5月30日限定公開、6月6日拡大公開、予告編)
ウェス・アンダーソン監督作品。プレビュー動画を上映。
“How to Train Your Dragon(邦題『ヒックとドラゴン』)”(北米公開:2025年6月13日/ブラムハウス)
アニメ『ヒックとドラゴン』の実写映画。監督のディーン・デュボア、キャストのジェラルド・バトラー、ニコ・パーカーが登壇し、ラインナッププレゼンテーション前に上映された本編試写についての感想を観衆に尋ねました。また、本作の続編製作の発表とともに、その公開日が2027年6月11日であることも明かされました。

Photo by Jerod Harris/Getty Images for CinemaCon 2025
“M3GAN 2.0”(北米公開:2025年6月27日/ブラムハウス)
プレゼンテーションでは、30体のM3GANが舞台に登場し、ブリトニー・スピアーズの楽曲「ウップス!...アイ・ディド・イット・アゲイン」にあわせて踊るパフォーマンスを披露しました。

Photo by Jerod Harris/Getty Images for CinemaCon 2025
ヒットホラー『M3GAN/ミーガン』の続編。一度は完全に活動を停止させられていたM3GANでしたが、新型アンドロイドの暴走を止めるべく、アップグレードして復活することになります。主演のヴァイオレット・マッグロウが登壇。予告編を上映。

Photo by Jerod Harris/Getty Images for CinemaCon 2025
“Jurassic World: Rebirth(邦題『ジュラシック・ワールド/復活の大地』)”(北米公開:2025年7月2日)
監督のギャレス・エドワーズ(『GODZILLA ゴジラ』『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』ほか)、キャストのスカーレット・ヨハンソン、マハーシャラ・アリが登壇。本作に関われることをいかに誇りに思っているかを楽しい掛け合いとともに披露しました。タイで撮影中の初出し映像を上映。

Photo by Jerod Harris/Getty Images for CinemaCon 2025
“The Bad Guys 2”(北米公開:2025年8月1日/ブラムハウス)
アニメ『バッドガイズ』の続編。タランチュラ役のオークワフィナ、シャーク役のクレイグ・ロビンソンが登壇。予告編を上映。
“Nobody 2”(北米公開:2025年8月15日)
『Mr.ノーバディ』の続編。家族旅行の先で、再び主人公が様々な戦いをせざるを得なくなります。予告編を上映。
“Downton Abbey: The Grand Finale”(北米公開:2025年9月12日)
歴史ドラマ『ダウントン・アビー』シリーズ最終作。
“Him”(北米公開:2025年9月19日)
ジョーダン・ピール製作作品。大学のフットボール選手が怪我がするところから始まるホラー映画。キャストのティリク・ウィザーズ、マーロン・ウェイアンズが登壇しました。
“Gabby's Dollhouse: The Movie”(北米公開:2025年9月26日/ブラムハウス)
Netflixオリジナル『ギャビーのドールハウス』の映画化。Netflixではシーズン11まで配信されているほか、YouTubeの総視聴回数は30億を超える人気コンテンツ。主人公ギャビーはライラ・ロックハート・クラナー、ギャビーの祖母をグロリア・エステファンが演じる。予告編を上映。
“Black Phone 2”(北米公開:2025年10月17日)/ブラムハウス)
サイコスリラー映画『ブラック・フォン』の続編で、原作はスティーヴン・キングの息子ジョー・ヒルの小説。プレゼンテーションでは、ブラムハウス・プロダクションズのジェイソン・ブラムCEOが登壇し、「10月はホラーにとって特別で、自分の一番好きな月です」とコメント。前作に続きグェン役を演じるマデリーン・マックグロウも登壇し、「撮影は全然怖くなかったけれど、完成した映画はとても怖い」と紹介しました。マックグロウは今年、CinemaCon Rising star of the year (新生スター賞)を受賞しました。予告編を上映。
“Bugonia”(北米公開:2025年11月7日)
ヨルゴス・ランティモスが監督を務め、エマ・ストーン、ジェシー・プレモンスらが出演する韓国映画『地球を守れ!』のリメイク。
“Wicked: For Good”(北米公開:2025年11月21日)
前編『ウィキッド ふたりの魔女』のヒットを受け、ジム・オア氏は「これだけのグローバルカルチャーシーンになるとは驚きました」と心中を吐露。プロデューサーのマーク・プラットも「『ウィキッド』の成功は予想以上だった」と赤裸々に語りました。舞台にはシンシア・エリヴォ、アリアナ・グランデ、監督のジョン・M・チュウも登場し、会場を彩りました。

Photo by Jerod Harris/Getty Images for CinemaCon 2025
『ウィキッド』がCinemaConでユニバーサルのプレゼンテーションのクロージングになるのはこれで3年連続。ブロードウェイでの上演は22年目を迎えていますが、過去最高の年となっており、昨年12月には1週間の興行収入で過去最高記録を更新したことが明かされました。

Photo by Jerod Harris/Getty Images for CinemaCon 2025
“Five Nights at Freddy's 2”(北米公開:2025年12月5日/ブラムハウス、予告編)
同名コンピュータゲームシリーズを原作としたホラー映画『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』の続編。前作はZ世代の後押しを受け、ブラムハウス・プロダクションズ最大のヒット作となりました。前作はday and dateでしたが、本作の12月公開時には劇場のみでの提供となることが明かされました。

Photo by Jerod Harris/Getty Images for CinemaCon 2025
“SOULM8TE”(北米公開:2026年1月2日/ブラムハウス)
『M3GAN ミーガン』のスピンオフ作品。大人の女性アンドロイドを手に入れた男性を主人公にしたホラー。女の子向けの人形としてM3GANは作られましたが、本作は“大人向けのM3GAN”というコンセプトの元、企画されました。製作会社ブラムハウス・プロダクションズのジェイソン・ブラムとAtomic Monsterのジェームズ・ワンが登壇。両者のコラボレーションは『インシディアス』以来となりますが、Atomic Monsterとしては、『M3GAN ミーガン』が最初のコラボレーションであったことが明かされました。予告編を上映。

Photo by Jerod Harris/Getty Images for CinemaCon 2025
“The Super Mario Bros. Movie 2(タイトル未定)”(北米公開:2026年4月3日)
“スティーヴン・スピルバーグ新作”(北米公開:2026年6月12日/ドリームワークス)
スティーヴン・スピルバーグ監督による自身の原点回帰とも言える新作。
“Minions 3(タイトル未定)”(北米公開:2026年7月1日)
“The Odyssey”(北米公開:2026年7月17日)
クリストファー・ノーラン監督の新作。ノーラン監督は現在、ホメロスの叙事詩『オデュッセイア』を題材にした壮大な新作映画を製作中。「各世代に一度現れるような映画体験」と紹介され、豪華なオールスターキャスト映画、スケールと深みの両面で極めて意欲的なプロジェクトであることが明かされました。また、ノーラン監督の過去作品と同様、映像・構成・物語性のすべてにおいて観客の記憶に残る一作になることが期待されています。
“Shrek 5”(北米公開:2026年12月23日/ドリームワークス)
『シュレック』シリーズ最新作。マイク・マイヤーズやキャメロン・ディアスらオリジナル・キャストが続投するほか、新たにゼンデイヤが声優を務めることが共有されました。
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