第2回:ディズニー、ユニバーサル、ワーナーによる自社データと第三者データの使い分け
公開日: 2023/09/06
米ハリウッドで4月に開催された「Variety Entertainment Marketing Summit」にて、パネルディスカッション「Truly Knowing Your Audience in Multiplatform Marketing」を実施。ユニバーサル、ワーナー、ディズニーといった大手スタジオで映画・テレビ作品の広告販売とオーディエンスデータの分析を担うリーダーと、広告出稿側でもあるシティ・ナショナル銀行およびサムスン・アドの担当者が登壇しました。
パネルではまず、動画配信やSNS、TV放送など、プラットフォームを横断して戦略的に広告を打つことが一般化しているものの、獲得した視聴率や回数、インプレッションといったオーディエンスデータを統合して計測・分析できていない状況を共有。本特集では上記を踏まえ、より正確で透明性のあるオーディエンスデータの測定方法について議論しあった模様をレポートします。
※本記事で触れられている内容は2023年4月時点の情報です
トッド・スパングラー(Todd Spangler)
バラエティ(Variety):デジタル・エディター
パネリスト
ブライアン・ムー(Bryan Mu)
ユニバーサルスタジオ・グループ(Universal Studio Group):リサーチ&インサイツ部門シニア・バイス・プレジデント
アンドレア・ザパタ(Andrea Zapata)
ワーナーブラザース・ディスカバリー(Warner Bros. Discovery):広告販売リサーチ・測定・インサイツ部門エグゼクティブ・バイス・プレジデント
ダナ・マックグロウ(Dana McGraw)
ディズニー・アドバタイジング(Disney Advertising):視聴者モデリング&データ・サイエンス部門シニア・バイス・プレジデント
リンダ・ダンコンブ(Linda Duncombe)
シティ・ナショナル銀行(City National Bank):チーフ・マーケティング・プロダクツ&デジタル・オフィサー兼エグゼクティブ・バイス・プレジデント
オーブリアナ・アルヴァレズ・ロペス(Aubriana Alvarez Lopez)
サムスン・アド(Samsung Ads):データ向けプロダクト・マーケティング部門ディレクター
より正確で透明性のあるオーディエンスデータの測定・分析手法について、米スタジオのデータ分析担当者と、広告出稿側でもあるシティ・ナショナル銀行とサムスン・アドバタイジングの担当者が議論を交わしたパネルディスカッション。第2回は、テレビと配信など、複数のプラットフォームを横断してオーディエンスデータを測定・分析するために、どのように1stパーティ・データと3rdパーティ・データを使い分けているか、各社が共有した様子をレポートします。
1stパーティ・データを起点に分析手法を構築
オーディエンスデータには、1stパーティ・データ(社内システムで直接顧客から得られるデータ)と3rdパーティ・データ(社外の測定・分析会社などによる間接的・総合的データ)があります。パネルディスカッションでは、各社がどのように使い分けているのかについて話が及びました。
ワーナーのザパタ氏は、「1stパーティ・データは、データの分析方法を決める際の起点になる」と説明。「当社には、視聴者と直接つながっているD2CサービスであるHBO Max(現Max)などから集めた1stパーティ・データがあるため、そこを起点にし、何をデータの核とするか? そこからどのように価値を引き出し、視聴者セグメントと組み合わせるか? について考えます」。
一方で、従来のテレビ視聴者のデータも重要視していると強調するザパタ氏。「ここで明確にしたいのは、ワーナーブラザース・ディスカバリーは、依然として従来のテレビをベースにした体験であるということです。私たちは毎月、約2億3500万人もの視聴者と関わっており、彼らの多くはテレビを視聴しています。意外に思う人もいるかもしれませんが、人々はまだ、テレビを観ているんですよ」。
3rdパーティと協力し、ニッチなTV番組視聴データも精度高く把握
その上で、テレビの世界には1stパーティ・データが存在しないことを、あらためて指摘するザパタ氏。「テレビの視聴者データにおいて、……(以下、会員限定記事にて掲載)
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