第4回:TikTokはメディア地図の中心地
公開日: 2023/08/09
米ハリウッドで4月に開催された「Variety Entertainment Marketing Summit」にて、パネルディスカッション「Entertainment Marketing Leaders Roundtable」を実施。パラマウント、ワーナー、ユニバーサル、ネオンからマーケティング責任者が登壇したほか、TikTokの北米代表も出席しました。映画のマーケティング方針や最新の戦略、成功事例を共有し合ったディスカッションの模様を5回に分けてレポートします。
※本記事で触れられている内容は2023年4月時点の情報です
クラウディア・エラー(Claudia Eller)
バラエティ(Variety):最高プロダクション責任者
パネリスト
マーク・ワインストック(Marc Weinstock)
パラマウント・ピクチャーズ(Paramount Pictures):世界マーケティング&配給部門代表
カレン・ブロンゾ(Karen Bronzo)
ワーナー・ブラザース・ディスカバリー(Warner Bros. Discovery):最高マーケティング責任者
ドワイト・ケインズ(Dwight Caines)
ユニバーサル・ピクチャーズ(Universal Pictures):米国マーケティング部門代表
クリスチャン・パークス(Christian Parkes)
ネオン(Neon):最高マーケティング責任者
キャサリン・ハラビー(Catherine Halaby)
TikTok:北米エンタテインメント部門代表
第4回は、いまや、マーケティング関連のパネルで必ず名前があがるTikTokがスタジオや配信会社とどのように仕事をしているかを同社北米エンタテインメント部門代表のキャサリン・ハラビー氏が語ります。さらに、TikTokをどう見ているかについてパートナー企業が明かしました。
- 視聴者にアプローチするだけでなく、期待に答えることが重要
- 予告編は最初の2~3秒が勝負
- 米国では1億5000万人が利用、若年層へのリーチに最適
- 質の高いコンテンツ視聴の確保が重要
- 広告臭を感じさせない面白い仕掛けが必要
視聴者にアプローチするだけでなく、期待に答えることが重要
ハリウッドの全スタジオやネットワーク、配信会社という企業のみならず、公人やセレブリティ、クリエイターという個人とも仕事をしているTikTokのハラビー氏は、いまや皆がTikTokのエンタテインメントに参入していることを明かしました。「私たちの主な仕事は、スタジオや放送局、配信事業者らがTikTok上で視聴者を獲得できるようにサポートすることです。そのためには、視聴者にアプローチするだけでなく、彼らが直接コンテンツにエンゲージしたくなるような期待に応えることが重要です。TikTokには、デュエットやステッチ、動画付きコメントの返信など、ユーザーの創作意欲を掻き立てるたくさんの機能があります。クリエイターが見知らぬ人たちを楽しませようとするのと同じように、パートナー企業が、自分たちの存在を知らない人たち、あるいはアカウントをフォローしようとしていない人たちに向けてエンタテイメント価値やインフォテインメント価値を提供し、クリエイティブ効果を最適化するお手伝いをしています」。
予告編は最初の2~3秒が勝負
ハラビー氏は、各自のTikTokアカウントの玄関ともいうべき、「For You」ページについて説明。「TikTokユーザーは『For You』ページで新たなコンテンツに出会いますが、これは基本的にディスカバリー・エンジンのアルゴリズムを用いて、各ユーザーの視聴履歴に基づいて興味の対象を調べ、そのユーザーが気に入りそうなコンテンツを提供するものです。そして、『いいね!』や『シェア』などのアクションによって動画が拡散されると、さらに多くの視聴者の目に留まるようになります。TikTokにフィットする本当に素晴らしい予告編とは、ワイドスクリーンではなく縦長で魅力を発揮でき、2~3分のトレイラーでも最初の2〜3秒にフックがあるものです」。
米国では1億5000万人が利用、若年層へのリーチに最適
こうしたなか、TikTokについてのありがちな誤解を問われ、「(ダンス動画が目立ちがちなTikTokですが)必ずしも踊らなくていいのです」と冗談交じりに回答したハラビー氏。続けて、「今、1億5000万人の米国人がTikTokを使っています。いまや、子どもやティーンだけのものではなく、……(以下、会員限定記事にて掲載)
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