急上昇のSTARTO『Aぇ! group』にみる、推しファンの「信者」割合と「支出力」を分析~2024年4月エンタメブランド調査結果
公開日: 2024/04/24
メディアを横断して、コアなファンである「推しファン」が作り出す総合価値が最も高いエンタメブランドはなにか。GEM Partnersでは、エンタメビジネスの最大化をサポートする商品「推しエンタメブランドスコープ」で毎月調査を実施。エンタメブランドの総合価値を測る指標「GEM指数」を算出し、その問いに答えています。本コラムでは2024年4月の最新調査結果を用いて「推しファン」による総合価値が高いエンタメブランドを明らかにしました。
※「推しエンタメブランドスコープ」では、全国に住む15~69歳の3万人を対象に、「いま、推しているエンタメブランド」に関する調査を毎月実施。答え方があらかじめ指定したリストから選ぶ形ではなく、自由回答方式で答えてもらい、GEM Partners開発による「エンタメコンテンツ辞書」を用いて名寄せ(回答者が記入した情報を精査し、同一のコンテンツを示す回答を統合する作業)・集計を実施しています。
「推しエンタメブランドスコープ」詳細へ- 【GEM指数ランキングTOP20】
『YouTube』が4月のGEM指数ランキング1位 - 【GEM指数 急上昇ランキングTOP10】
『名探偵コナン』が前月からの急上昇トップを獲得 - 『Aぇ! group』の「支出金額」が同グループ最高値の倍近くに増加
- 「信者割合」が高いと消費意欲が高まる傾向、『Aぇ! group』はその中でも高い位置づけ
【GEM指数ランキングTOP20】
『YouTube』が4月のGEM指数ランキング1位
「推しエンタメブランドスコープ」では、市場におけるコンテンツファンの広がり(推しファン人数)と深さ(支出金額と接触日数で測られる関与度)から、エンタメブランドの価値を測る総合指標「GEM指数」を算出しています。2024年4月の「GEM指数」ランキングTOP20は下記赤枠となりました。
※クリックして拡大1位を獲得したのは『YouTube』。「GEM指数」が3月時点の5,495GEM(4位)から1,332GEM増加して、6,827GEMとなり1位にランクアップしました。後述する急上昇ランキングから分かるように、『YouTube』は3月から4月にかけて「推しファン人数」が増加したことに伴い、推しファンが費やす時間の合計を示す「接触日数」が上昇したことで「GEM指数」を底上げしました。『YouTube』のエンタブランドに紐づく「ブランド要素」(『YouTube』にグルーピングされている内訳)を見ると、「[投資・ビジネス・お金系]をYouTubeで見る」という項目が3月に比べて増加しており、調査時点(4/13)までの株式相場の盛り上がりや新NISAの浸透を受けて動画を見た・調べたという行動があったのかもしれません。
【GEM指数 急上昇ランキングTOP10】
『名探偵コナン』が前月からの急上昇トップを獲得
前月からの「GEM指数」急上昇ランキングは下記のようになりました。1位は『名探偵コナン』が獲得しています。劇場版『名探偵コナン100万ドルの五稜星』が調査前日の4月12日(金)に公開され、大ヒットスタートを記録。それにより「推しファン人数」「支出金額」「接触日数」がすべて高まることで、「GEM指数」が大きく上昇する動きとなりました。
※クリックして拡大『Aぇ! group』の「支出金額」が同グループ最高値の倍近くに増加
「GEM指数」急上昇ランキングTOP10には、アイドルグループから『櫻坂46』『Aぇ! group』『TWICE』の3組がランクインしました。それぞれ「支出金額」の増加が要因として大きいですが、『櫻坂46』『TWICE』は月々の変動の範囲内となっていました。
一方で、『Aぇ! group』の4月の「支出金額」は、これまでに同グループが記録した最高値の倍近くに増えており、特筆すべき動きとなりました。『Aぇ! group』は、3月16日、17日にCDデビュー前のジュニアとしては異例となる単独ドーム公演(京セラドーム大阪)を開催しており、それに合わせて推しファンの消費意欲が高まったものと考えられます。また、直近1カ月の接触をみると「ライブ・コンサート」が上昇したほか、「DVD・ブルーレイの購入」も高まっており、関連消費の動きもあることが分かります。
※クリックして拡大「信者割合」が高いと消費意欲が高まる傾向、『Aぇ! group』はその中でも高い位置づけ
下記は、横軸に「信者割合」※1※2、縦軸に「1カ月の最大許容支出金額」※2をとり、「タレントとして好き」と回答されたエンタメブランドをマッピングしたものです。
※1:「信者割合」は該当エンタメブランドについて5スケールでファン度合を聴取し、「人生の一部/信者である」と回答された割合
※2:直近1年間の平均値
全体的な傾向として「推しファン」の「信者割合」(横軸)が高まると、「1カ月の最大許容支出金額」(縦軸)が高まっており、「信者割合」を高めることがファンの消費意欲拡大に重要であることが分かります。『Aぇ! group』の「信者割合」は平均値より高い位置づけにあります。また、赤い線が傾向線を表していますが、『Aぇ! group』はその上方に位置しており、特に消費意欲が高いファンであることが読み取れます。
同じ関西ジュニアで先にデビューした『なにわ男子』は平均に位置しています。「推しファン人数(バブルサイズ)」は『なにわ男子』の方が多いものの、『Aぇ! group』はより濃いファンに支えられていると言えます。『Aぇ! group』は、ドーム公演で5月にCDデビューすることが明かされたとのことで、今後の「推しファン」の動きが注目されます。
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このように、「推しエンタメブランドスコープ」ではトレンドで動きがあった「エンタメブランド」の時系列などでの詳細な分析や、全体を俯瞰した特徴の分析・示唆出しなどが可能です。
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