ヒットを生む仕組みに革新を起こす【特集】ハリウッド式から脱却したヒットの仕組み~エンジェル・スタジオ成功の裏側(前編)
公開日: 2024/01/18
米ロサンゼルスで行われた「Variety Entertainment & Technology Summit 2023」にて9月21日、米映画界で話題のインディペンデント映画スタジオ、エンジェル・スタジオ(Angel Studios)のエグゼクティブたちが、インディペンデント・フィルムメイキングの新たなかたちについて語ったパネルディスカッション「Angel Studios: A New Opportunity for Independent Filmmakers」の様子をレポートします。
※本記事で触れられている内容は2023年9月時点の情報です
マット・ドネリー(Matt Donnelly)
Variety:シニア・エンタテイメント&メディア・ライター
パネリスト
ジャレッド・ギーシー(Jared Geesey)
エンジェル・スタジオ(Angel Studios):グローバル配給部門シニアバイスプレジデント
ニール・ハーモン(Neal Harmon)
エンジェル・スタジオ(Angel Studios):共同創始者兼CEO
前編は、エンジェル・スタジオのエグゼクティブたちが、2023年夏の米興行で話題となった映画『Sound of Freedom(原題)』、そして同スタジオの会員組織“エンジェル・ギルド(Angel Guild)”について語りました。
- 23年夏の隠れヒット作『Sound of Freedom(原題)』とは?
- 配給手数料ゼロ、エンジェル・スタジオの独特な配給スタイル
- 配給決定のカギを握る“エンジェル・ギルド”
- 名前の由来と10万人の会員の顔ぶれ
- ギルド会員は企画開発プロセスにも参加
23年夏の隠れヒット作『Sound of Freedom(原題)』とは?
『バービー』と『オッペンハイマー』というジャンルもテイストも全く異なる映画のダブルヒットに沸いた2023年夏の米映画興行。実はその裏で、ある1本のインディペンデント映画がサプライズヒットとなり、話題を呼びました。それが、子どもの人身売買とその救出劇を描いたアクション・スリラー映画『Sound of Freedom(原題)』。米インディペンデント映画会社エンジェル・スタジオ(Angel Studios)が配給した作品です。
製作費1,450万ドルとされる同作は、米国で独立記念日の7月4日に劇場公開され、公開から90日以上たった11月末時点で米興収1億8400万ドル、世界興収2億4800万ドルを記録。南米興行も独占し、中東エリアでも公開されました。
同スタジオのグローバル配給部門シニアバイスプレジデントであるジャレッド・ギーシー氏は、同作を取り巻く現象について、「世界中の劇場での観客の反応は驚異的で、私たちも反響の大きさに興奮しています。今も、米国外において急ピッチで劇場公開を進めている真っ最中。ブラジルでの公開後、10月から11月にかけて、ヨーロッパの他の地域でも公開予定です」と語りました。
配給手数料ゼロ、エンジェル・スタジオの独特な配給スタイル
『Sound of Freedom(原題)』のヒット、そしてエンジェル・スタジオが注目を浴びる理由は、従来のモデルを覆す独特な配給スタイルにあるようです。
同社の劇場配給状況について、まずギーシー氏から説明がありました。「私たちは長年、配信プラットフォーム事業(Angel Studios)を展開していますが、今年、劇場映画部門を立ち上げ、あらゆる形の配給やライセンス提供を行っています。2本目の長編映画となった『Sound of Freedom(原題)』は、ラテンアメリカ全土とイギリス、アイルランドで直接配給を行うなど、世界的な配給網を広げています。ちなみに、その前のドラマシリーズ『The Chosen(原題)』では、27カ国100以上の配信パートナーやプラットフォームにライセンスを提供しました」。
続いて、同スタジオの共同創始者/CEOのニール・ハーモン氏から、同社が“配給手数料ゼロ”のモデルを採用していることと、その理由が明かされました。「先日、あるエンタテイメント会社の最高財務責任者が、『スタジオがその映画を本当に信じているかどうかは、配給手数料の少なさで分かる』と言っていましたが、エンジェル・スタジオの配給手数料はゼロです。私たちが配給手数料を取らずに、これほど自信をもって作品を公開できる理由のひとつは、“エンジェル・ギルド(Angel Guild)”と呼ばれる会員組織の存在です」。
配給決定のカギを握る“エンジェル・ギルド”
一定額を支払うことで、本スタジオ配給作品の劇場鑑賞券などの特典を受けられるエンジェル・ギルド会員ですが、会員の最も重要な役割についてギーシー氏が明かしました。「エンジェル・ギルドは、……(以下、会員限定記事にて掲載)
※本記事はGEM Standard会員様限定となります。
新規登録(無料)いただくと閲覧いただけます。
新着記事
-
『ダウンタウン』ら人気芸人と推しファンを結ぶメディアは「テレビ」か「ネット」か
(2026/01/22) -
日米のアニメーション製作が抱える課題とデジタル・ファーストの可能性:ANIAFF連携プログラム「WIA代表マーガレット・M・ディーン×東映アニメーションプロデューサー関弘美対談」
(2026/01/20) -
製作委員会の限界を突破するキーワード「直接海外」「データによる客観性」:ANIAFFセミナー「コンテンツファンドは日本のアニメーションに多様性をもたらすか?」(後編)
(2026/01/15) -
世界のファイナンスから学ぶコンテンツファンド再挑戦の成功要件:ANIAFFセミナー「コンテンツファンドは日本のアニメーションに多様性をもたらすか?」(前編)
(2026/01/15) -
「アニメ」の発展が続く未来のために:ANIAFFセミナー「日本アニメとは何か? いま世界で何が起きているのか」(後編)
(2026/01/09)
新着ランキング
-
音楽アーティスト リーチpt 週間TOP10【最新週】
(2026/01/22) -
マンガ リーチpt 週間TOP10【最新週】
(2026/01/22) -
映像 リーチpt 週間TOP10【最新週】
(2026/01/22) -
定額制動画配信サービス 週間リーチptランキングTOP20【最新週】
(2026/01/22) -
メディア横断リーチpt 急上昇TOP10【最新週】
(2026/01/22)
アクセスランキング
(過去30日間)
-
2024年の定額制動画配信市場は推計5,262億円、U-NEXTがシェア最大の伸び、6年連続首位のNetflixに迫る
(2025/02/25) -
劇場公開映画 週末動員ランキングTOP10【最新週】
(2026/01/19) -
【第76回紅白勝敗予想】推しファン分析で紐解く『ミセス』率いる「白組優勢」の壁と、初出場『HANA』ら紅組新勢力の爆発力
(2025/12/19) -
国内アニメは『薬屋』、アジアドラマは『イカゲーム』、バラエティは『水ダウ』が首位~2025年ジャンル別動画配信ランキング
(2025/12/25) - ランキング ジャンル別一覧
-
定額制動画配信サービス 週間リーチptランキングTOP20【最新週】
(2026/01/22) -
「アニメ」はなぜ世界で愛されるのか:ANIAFFセミナー「日本アニメとは何か? いま世界で何が起きているのか」(前編)
(2026/01/09) -
2025年”推し活ランキング”~『鬼滅の刃』が劇場版公開で大躍進、『モンハン』『Nintendo Switch』が急上昇
(2025/12/19) -
『俺レベ』が世界21カ国で首位、アジアでは『SAKAMOTO DAYS』、アメリカでは『ダンダダン』が上位に~世界人気アニメランキング2025年
(2025/12/10) -
世界のファイナンスから学ぶコンテンツファンド再挑戦の成功要件:ANIAFFセミナー「コンテンツファンドは日本のアニメーションに多様性をもたらすか?」(前編)
(2026/01/15)