第4回:放送、配信、パークを含めたディズニープラットフォームの総合戦略
公開日: 2022/11/26
2022年9月、米ロサンゼルスで開催されたカンファレンス“Variety Entertainment Technology Summit”より、ウォルト・ディズニー・カンパニーが2020年に新設したDisney Media & Entertainment Distribution(DMED)部門のトップ、カリーム・ダニエル会長の基調講演をレポートします。
Disney Media & Entertainment Distribution(DMED)部門
ウォルト・ディズニー・カンパニーが制作するコンテンツの流通(劇場、配信、テレビなど)、販売、広告に関する意思決定、およびPL管理を一括して手掛ける部門として設立。コンテンツ制作は、Studios Contentグループ(映画・演劇作品)、General Entertainment Contentグループ(テレビネットワーク向けコンテンツ/ニュース)、ESPN and Sports Contentグループ(スポーツ関連番組)の3グループが担っており、そのすべてのコンテンツをDMED部門が管理する。
※参考:Disney Media & Entertainment Distribution公式サイト
シンシア・リトルトン(Cynthia Littleton)
米「バラエティ(Variety)誌」 共同編集長
基調講演者:
カリーム・ダニエル(Kareem Daniel)
ウォルト・ディズニー・カンパニー Disney Media & Entertainment Distribution部門会長
特集第4回は、コンテンツの流通先を管理するDMED部門が、どのように各プラットフォームに対してバランスを取り、強みを生かしているのかに着目。動画配信サービスへの投資が増えるなか、放送、劇場公開に対してどのように対応しているのか。カリーム会長が思い描く、動画配信サービス「ディズニープラス」とパークの理想的な連携とはなにか。具体的な事例と共にお届けします。
※本記事で触れられている内容は2022年9月時点の情報です
配信が重視されるなか、DMED部門が取り組むテレビネットワーク、劇場運営
モデレーター
動画配信サービスはここ数年の大きなトピックではありますが、ディズニーの放送、劇場、そしてもちろんパークについての話も聞かせてください。テレビ放送は依然として利益を生む強力なエンジンであり、ディズニーには、ケーブルテレビのESPNやディズニー・チャンネル、フリーフォームなどといった放送局があります。しかし、テレビ業界は解けていく氷塊のように感じます。だからこそ、動画配信サービスに巨額の投資が行われているのだと思います。あなたは、MVPD(Multichannel Video Programming Distributors:ケーブルテレビや衛星放送などを含む有料の多チャンネル放送サービス)のコムキャストやチャーター・コミュニケーションズと取引を行い、ESPNなどといったケーブルテレビの放送網を確保すると同時に、ディズニープラスやHulu、そのほかすべての未来を構築する責任があります。
そういったなかでESPNやフリーフォームといったケーブルテレビの経営にどのように取り組むのでしょうか。ESPNは少しばかり話題になっていますね。ディズニーはESPNを売却するべきか、独立するべきかといった議論もあるようです。ボブ・チャペックCEOはそういった提案に対して、「ありがたいが、ESPNは残しておきたい」と返しました。この件に関しての答えは求めていません。しかし、これらの資産をどのように運営していくか、聞かせてください。市場は縮小しており、その縮小を管理していくと考えて良いのでしょうか。それとも、それは考えすぎなのでしょうか。
カリーム・ダニエル(ウォルト・ディズニー・カンパニー DMED部門会長)
業界を知ることは重要だと私は思います。ウォルト・ディズニー・カンパニーがこれまでに行ってきたことを振り返ると、……(以下、会員限定記事にて掲載)
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