U-NEXTの快進撃を解剖する
公開日: 2024/10/11
コロナ禍の急拡大から一転、近年では成長鈍化の傾向を見せる定額動画配信サービス(SVOD)。その中にあって、U-NEXTは大きく成長を続けています。何がU-NEXTの成長を支えているのでしょうか。市場全体の成長状況や各サービスのポジショニングを月次で把握できる「定額制動画配信サービス ブランド・ロイヤリティ調査」のデータを用いて、その理由に迫ります。
急拡大から落ち着きへ、SVOD市場の現在地
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2020年以降、コロナ禍での巣ごもり需要が大きな追い風となり、各SVODサービスは利用率を大きく伸ばしました。しかし、2023年以降は成長が鈍化し、微増にとどまる状況が続いています。
U-NEXT、2年連続の成長を実現
停滞するSVOD市場において、U-NEXTは際立った動きを見せています。同社は、2023年に「Paravi」との統合や「HBO」の独占配信、さらに2024年にはサッカー・プレミアリーグの独占配信に乗り出したほか、直近ではワーナー・ブラザース・ディスカバリーの主力サービス「Max」の独占配信も開始するなど、コンテンツ戦略を強化しています。
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U-NEXTの利用率をみると、2022年から2024年にかけて、2年連続で前年同期比120%以上の成長を達成し、着実に市場での存在感を高めています。(2024年は9月までの値)
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U-NEXTは、2022年時点では国内の主要SVODサービス利用率ランキングで6位に位置していました。しかし、その後の積極的な戦略やサービス改善により、2024年には3位にまで上昇しています。この上昇は、市場全体が利用率の鈍化に直面する中で特筆すべき成果と言えます。
U-NEXTの新規加入、解約、継続意向状況を探る
利用率の伸長が目覚ましいU-NEXT。次は、新規加入、解約、継続意向のどの面が成長を後押ししているのかを紐解いてみます。
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まず、新規加入者が堅調に増加しています。3カ月以内加入の推移では、前年と比較して減少するサービスが多いなか、2023年、2024年と2年連続で上昇しています。
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続いて、解約指数をみてみます。2017年の本調査開始時には、比較的高い月額料金も影響してか、他サービスに比べて解約指数が大幅に高い傾向にありました。しかし、年々値を下げていき、最新の2024年では聴取サービスの中で真中程度の位置にあります。
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また、利用者の継続意向も改善傾向となっています。2021年以降一時停滞しましたが、Paraviを始めとした豊富な独占コンテンツの配信を始めた2023年から2024年に上昇しています。
新規加入が堅調で、解約率が改善しており、継続傾向にあること。これらの要因が相まって、利用率の上昇が続いていると考えられます。
ブランドイメージ訴求の成功がU-NEXT成長のカギ
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「定額制動画配信サービス ブランド・ロイヤリティ調査」では、各サービスのブランドイメージについても調査しています。SVOD市場では「プライム・ビデオ」と「Netflix」が高い利用率を誇ります。そこで、「取り扱い作品数が多い」「自分が観たいジャンル・分野に強い」「そこでしか見られない作品がある」といったコンテンツに関する各サービスの加入者が持つブランドイメージについて、それら2サービスと比較してみました。
U-NEXTはどの指標も大きく伸長していることが分かります。注目は「取り扱い作品数が多い」です。U-NEXTは実際の配信作品数(※1)が最も多いサービスであるものの、2022年までブランドイメージでNetflixよりも下に位置していました。これはNetflixのプロモーションの巧さではありますが、2022年以降U-NEXTの配信作品数1位というプロモーションの効果が徐々に現れはじめ、ブランドイメージの改善と成長につながっていると考えられます。※1:出典「VODラインナップ分析ツール」(国内の主要な定額制動画配信サービスにおける洋画/邦画/海外ドラマ/韓流・アジアドラマ/国内ドラマ/アニメの配信本数を調査)
SVOD市場全体の成長が鈍化するなか、U-NEXTは独自の強みを生かし、堅実に成長を続けています。豊富なコンテンツラインナップ、プロモーション戦略の成功などが、他社との差別化を可能にしている要因と言えそうです。
今後も、U-NEXTがこの勢いを保ち、さらなる躍進を続けるのか、あるいは他社の台頭が見られるのか、SVODを含めた動画配信市場の今後の推移が注目されます。
*
このように、「定額制動画配信サービス ブランド・ロイヤリティ調査」ではSVODサービスに関する豊富なデータを保持しています。調査は月次で行っており、月ごとの各指標の変化をご確認いただけます。プロモーションの効果測定や戦略立案、サービスの特色把握など幅広い用途にぜひご利用ください。
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