第2回:ディズニー新設部門 DMED(Disney Media & Entertainment Distribution)のミッションと戦略
公開日: 2022/10/21
2022年9月、米ロサンゼルスで開催されたカンファレンス“Variety Entertainment Technology Summit”より、ウォルト・ディズニー・カンパニーが2020年に新設したDisney Media & Entertainment Distribution(DMED)部門のトップ、カリーム・ダニエル会長の基調講演をレポートします。
Disney Media & Entertainment Distribution(DMED)部門
ウォルト・ディズニー・カンパニーが制作するコンテンツの流通(劇場、配信、テレビなど)、販売、広告に関する意思決定、およびPL管理を一括して手掛ける部門として設立。コンテンツ制作は、Studios Contentグループ(映画・演劇作品)、General Entertainment Contentグループ(テレビネットワーク向けコンテンツ/ニュース)、ESPN and Sports Contentグループ(スポーツ関連番組)の3グループが担っており、そのすべてのコンテンツをDMED部門が管理する。
※参考:Disney Media & Entertainment Distribution公式サイト
シンシア・リトルトン(Cynthia Littleton)
米「バラエティ(Variety)誌」 共同編集長
基調講演者:
カリーム・ダニエル(Kareem Daniel)
ウォルト・ディズニー・カンパニー Disney Media & Entertainment Distribution部門会長
特集第2回は、新設されたDisney Media & Entertainment Distribution(DMED)部門のミッションに迫ります。コンテンツ制作と運用を切り離した組織構造のなか、カリーム・ダニエル会長はどのような考えで組織を率いているのでしょうか。『ソー:ラブ&サンダー』や『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』の事例を交えながら、DMED部門の戦略が紐解かれます。
※本記事で触れられている内容は2022年9月時点の情報です
ディズニーでDMED部門が担う役割
モデレーター
DMED部門の会長に就任するまでの話を聞かせてください。 まず、2020年2月にディズニーで大きな転換がありました。ボブ・アイガーに代わってボブ・チャペックがCEOに任命されましたね。そして、その翌月からはコロナ禍でロックダウンとなるなど、かなり慌ただしい時期でした。そんななか、夏の終わりから秋にかけてのある時点で、あなたはボブ・チャペックから電話を受け、「カリーム、君に仕事がある」と言われたのでしょうか。
カリーム・ダニエル(ウォルト・ディズニー・カンパニー DMED部門会長)
このポジションを設けるにあたって私たちが考えたのは、「素晴らしいものを創り出すこと」と、「収支の管理」の側面を含む「実際にビジネスとして素晴らしく運営すること」は、別々に担えるということです。イマジニアリングでもそうでしたが、私たちはそれを実践し、成功を収めてきました……(以下、会員限定記事にて掲載)
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