デジタルメディアで「ウェブコミック動画」を製作・成功したプロデューサーたちが目指していること【SXSW2016レポート】
公開日: 2016/03/16
Author:梅津 文
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ー Saturday, March 12 11:00AM - 12:00PM : "White Ninja: Pushing Digital Boundaries" URL Jameson Parker (Whiskaye Films) / Tyler Funk (North of Now Films) |
White Ninja Serieshttps://vine.co/WhiteNinja |
本セッションは、この動画シリーズのエクゼクティブプロデューサーの Jameson Parker と Tyler Funk による、「どう成功したのか、今後何を目指しているのか」に関するものでした。
Vine (https://vine.co/)という動画共有サイトがあります。Wikipediaによると、Vineは以下のように説明されています。
Vine(ヴァイン)とはショート形式の動画共有サービスでユーザーは6秒間ループ再生されるビデオクリップ (en) を共有することが出来る。2012年6月に設立し、サービス正式開始前の10月にアメリカ合衆国のミニブログサービスであるTwitterに買収された。ユーザーは動画をVineのソーシャルネットワークを通して投稿したり、FacebookやTwitterといった他のサービスで共有することが出来る。Vineのアプリケーションでも他のユーザーによる投稿、テーマごとでのグループ、トレンド、人気での動画を見ることが出来る。このVineで成功したウェブコミック動画に ”White Ninja Series”があります。
| White Ninja Series チャンネルはこちら |
非常に「ゆるキャラ」です。そして毒がある。このコンテンツはシリーズ通して2000万回以上再生されていて(3月12日時点)、このゆるキャラ White Ninja が主人公の、くすっと笑えるちょっとシニカルな動画です。シリーズ通して全部で6分。1シリーズに6秒の動画が60個。
セッションのポイントは以下の通りです。
どのように展開したのか・成功の秘訣
Vineコミュニティの中のコラボレーションによってブランドをゼロから作り上げている仕組みを活用した。彼らいわく、現在ののVineは10年前のYouTubeとのこと。
その日、その時々に起こっていることに内容を合わせることが大事。クリスマス、バレンタインデーなど。それに合わせて、いかに事前にコンテンツプランニングするかがポイント。また、コンテンツリリースは、毎週同じ曜日、同じ時間を選ぶ。最適なタイミングをみるために多くの実験を行った。
製作の過程としては、Vine内にフォロワーを持つ8人の監督・脚本家がいて、毎週それぞれ10エピソードを持ってくる。その中で毎週何がVineでウケるかを検討してリリースする。
Vineは、YouTube, Instagram, Snapchatとも違う。ソーシャルメディアごとに特徴が違うので、それを踏まえてコンテンツ作りをする必要がある。Vine上でたくさんの人気の動画をみて研究した。そのコンテンツを提供するプラットフォームのコミュニティや特徴を踏まえたコンテンツ製作が非常に大事。たとえば、White Ninjaは同じフォーマットでInstagramでも公開しているが、Instagramに合わせて作り替えなどはしておらず、Vineほど成功していない。
ストーリーバイブルというコンテンツ企画のフォーマット・フレームワークを作り、チームで仕事をした。動画配信でのコンテンツでも、伝統的なメディアでのコンテンツでも作り方の基本は同じ。デジタルで新しいことはたくさんできるようにはなるけど、これまでのコンテンツ企画開発の基本も大事。ルールを破る前に、そのルールがなぜあるのかをよく考えるべき。
“brand sponsor model in Vine”の活用。その製作者がどのぐらい閲覧されるか、フォロワーがどれくらいいるのかによって、スポンサーが製作資金を提供する仕組みがある。また、閲覧者・フォロワーがどんな人なのか、かなりの精度で広告主は知ることができる。
なぜVineなのか?コミックコンテンツのプラットフォームとして優れているから。また、Vine内のユーザーのフォロワーに直接働きかけることができるから。YouTubeだと、いわゆるYouTuberに動画を作ってもらっても、直接その人たちのフォロワーにアクセスできるわけではない。
今後目指していること
現在のWhite NinjaはTV Pilotのようなもの。その次に目指しているのはテレビシリーズ。
今の時代、デジタルメディアを通じて人々にアクセスできることはコンテンツクリエーターとしては非常にエキサイティングなことである。White Ninjaを作る前にVineについては全く知らなかった。相当に研究してそのうえでVineを選び、その中でどのように勝てるのかを検討した。今後Snapchatでの展開を準備しているが、そのためにSnapchatの特徴を研究しているところだ。
今後、放送局やメジャースタジオと仕事をしたいとは思っている。でもだからといってVineを捨てるというわけではない。Vineのコミュニティは大事にしつつ、今後たくさんのことを学び、チームを作ってビジネスとして大きくしていきたい。
◆ ◆ ◆
このセッションで面白いと思ったのは、新しい形態のデジタルメディアで成功するためには伝統的なコンテンツ制作の基本も非常に大事であると繰り返し強調していたことです。また、彼らはカナダの補助金を獲得したうえで、8人の監督と共にきっちり組織的にコンテンツ制作を行っています。
一つのプロダクションが、高いコミットメントでコンテンツ制作をしている。彼らは、ビジネスとして大きくすることを目指していて、ゴールをあくまで放送などの既存メディアに置いていましたが、デジタルメディアのVineが広告収入など収益を上げる仕組みをしっかりサポートし、マスに広がるコンテンツのインキュベーターとなっている様子が伺えます。
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