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「映画館の魅力体感」と「ヒット作の連鎖」が市場に活況を呼ぶ
公開日: 2021/06/25
2021年6月25日付毎日新聞夕刊映画欄において掲載された「シネマの週末・データで読解 『劇場で魅力体感 連鎖を」の転載に、補足を加えています。
2021年も上半期が終わりつつある。映画興行は昨年来の『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の大ヒットで盛り返しかけたが、コロナ禍は続き、上昇には転じられなかった。興行収入は19年以前と比較して、おおむね6割のペースで推移している。
鑑賞者の生活習慣や行動も変化した。1年に1本以上映画館で作品を見る映画参加者人口が、5月時点で20年年初から30%減。特に50代以上が減っている。参加者人口ほどではないが、年間平均鑑賞本数も減少傾向だ。動画配信市場が伸びる中、各国の映画会社が製作、公開戦略を変えている。
その中で映画興行市場を再興するには、以前とは異なる取り組みが必要だ。同じ映画でも見る場所が違えば別の体験になる。映画館の魅力を作品とともに訴求し、実感してもらうことが重要だ。そしてその取り組みは、多くの作品で継続的に、年単位で行われるべきだ。
例年なら7月に入ると、夏興行のかき入れ時だ。ワクチン接種が進む欧米では映画館の再開や平常化が進み、秋以降は日本でも大作が目白押しだ。前週末はハリウッド映画『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』が6位に入った。「映画鑑賞価値」が体感されヒットが連鎖すれば、活況は戻る。
■シネマの週末・データで読解:週末観客動員数TOP10(6月19日、20日)
1.(NEW) | ザ・ファブル 殺さない殺し屋 | 1週目 |
2.(2) | るろうに剣心 最終章 The Beginning | 3週目 |
3.(4) | キャラクター | 2週目 |
4.(3) | 機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ | 2週目 |
5.(1) | シン・エヴァンゲリオン劇場版:|| | 15週目 |
6.(NEW) | クワイエット・プレイス 破られた沈黙 | 1週目 |
7.(5) | るろうに剣心 最終章 The Final | 9週目 |
8.(6) | 名探偵コナン 緋色の弾丸 | 10週目 |
9.(NEW) | ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~ | 1週目 |
10.(7) | 漁港の肉子ちゃん | 2週目 |
※()の数字は前週順位。興行通信社調べ
(GEM Partners代表、梅津文)=毎月最終金曜日掲載
◆掲載元◆
毎日新聞:シネマの週末・データで読解 『劇場で魅力体感 連鎖を』(毎日新聞2021年6月25日 東京夕刊)
今回の調査結果について
今回の調査結果は、映画製作・興行・配給・宣伝向け分析サービス「CATS(Cinema Analytical Tracking Survey)」の調査結果を基にしています。本調査を基にした商品には、劇場公開映画の宣伝状況を俯瞰する業界スタンダード・レポート「CATS 市場概況レポート+(プラス)」や、作品別に目標目安値とターゲットを設定し、劇場公開前の作品について詳細に宣伝状況を把握できる「CATS 作品別詳細オンライン」などがございます。CATSデータの部分販売も可能ですので、興味のある方はお気軽にお問い合わせください。
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