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興行の指標も多様化
公開日: 2016/12/16

2016年12月16日付毎日新聞夕刊映画欄において掲載された記事の転載です。

『デスノート Light up the NEW world』 2016年10月29日公開|
(C)大場つぐみ・小畑健/集英社 (C)2016「DEATH NOTE」FILM PARTNETS

 


2016年も残りわずか。最終興行収入でみると、200億を超えた「君の名は。」が1位となる。若者から火が付いて大きなサプライズヒットとなった。続くのは「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」、「シン・ゴジラ」。今は「おじさん」となった人たちに懐かしい作品が息を吹き返し、幅広い観客を動員した。「ズートピア」「ファインディング・ドリー」が追う。

「君の名は。」などの大ヒットだけでなく、「この世界の片隅に」などの小規模公開映画のヒットについても、ツイツターなどのソーシャル・ネットワーキング・サービス (SNS)が公開後の話題の高まりを後押ししたという議論も多くなされた。

今は、興収以外にもさまざまな指標がある。「話題度」を動画投稿サイト「YouTube」での再生回数で測ることもその一つ。公開前の関連動画の再生回数を見ると、ここでもやはり「君の名は。」が1位だが、実は僅差で人気漫画の劇場版「デスノート Light up the NEW world」が続く。これはピコ太郎の「ペンパイナッポーアッポーペン」とのコラボ映像も押し上げの要因として大きい。ランキングには「ズートピア」や「ちはやふる 下の句」、そして「シン・ゴジラ」が続く。


指標によって、今年の映画興行の見え方は異なる。映画についてどう語るかという切り口もますます多様化した一年だったとも言える。

(GEM Partners代表、梅津文)=毎月最終金曜日掲載


◆掲載元◆
毎日新聞:シネマの週末・データで読解 「興行の指標も多様化」 (毎日新聞2016年12月16日 東京夕刊)