第2章 「映画ファン」の正体に迫る! 本当に効果的なデジタル広告のターゲティングとは
データ×デジタルマーケティング新戦略
本当に効果的なデジタル広告のターゲティングとは
デジタルマーケティング実行&分析サービス”PANDA”の活用方法を紐解く特集コラムの第2章。今回は「ターゲティング広告」の本質に迫ります。私たちが想定している「映画ファン」とは、思い描いていた通りの存在なのでしょうか。本当に効果的なデジタル広告のターゲティング戦略の鍵は、PANDAの分析対象データのひとつである「シアターデータ」にありました。
デジタル広告の本質的な目的
PANDAは、GEMデータに基づき「興味層を拡大し、意欲層へ転換する」ことを、デジタル広告の本質的な目的と位置付けています。つまり、ある作品に対する「興味はあるので観るかもしれない」という感情を、「絶対に映画館で観る」という強いモチベーションに昇華させること。これがデジタル広告を打つ最大の目的なのです。
そのためには、作品に興味を持っている人を正確に狙っていかなければなりません。ここで、デジタル広告の特性のひとつ、「ターゲティング」という機能がポイントになってきます。今回のコラムでは、ターゲティングの本質に迫りながら、PANDAの大きな特徴である「シアターデータ」について、ご案内していきたいと思います。
映画ファンを第一に狙ってはいけない!?
まず、デジタル広告の「ターゲティング」という機能について、簡単におさらいしていきましょう。
Google、Facebookなど多くのデジタル媒体では、「映画ファン」にあたるセグメント(層)に対し、絞り込みを行い、広告配信できる機能が備わっています。これは、Web上におけるユーザーの行動履歴などのデータを用いて、各媒体独自のアルゴリズムで、「映画ファン」と定義づけているわけです。通常、この絞り込みを行った広告配信手法を「ターゲティング」と呼んでいます。
この「ターゲティング」ですが、劇場映画のデジタル広告運用にあたっては、媒体の定義する「映画ファン」に対して絞り込みを行うのがセオリーとされています。これは一見、理にかなっているように思えます。
しかし、PANDAにおいては「媒体の定義する映画ファンを第一に狙ってはいけない」と考えます。
なぜでしょうか?
媒体の定義により「映画ファン」に絞って広告を配信する「映画ファンターゲティング」と、シアターデータを利用した「シアター・ターゲティング」の2つの手法から、その理由に迫ります。
「映画ファン」とは誰なのか?
~映画ファンターゲティングの落とし穴
ここで考えてみたいのは、「映画ファン」とは誰なのか、ということです。
A:平日の仕事終わり、映画館へ足を運ぶことを日課にするコアな人?
B:月1回、週末に家族でアニメ映画の鑑賞を楽しみにするファミリー?
C:流行りもの好きな、動画配信サービスのヘビーユーザー?
全くペルソナの異なる三者ですが、いずれも「映画ファン」と呼ぶことができそうです。
重要なポイントは、上記A、B、Cのどの範囲まで「映画ファン」としてひと括りにされているかは、分からないということです。上に挙げたような例が、ひと括りに「映画ファン」とされている可能性もありますし、Aのみを「映画ファン」としている可能性もあるのです。「映画ファン」という言葉のあいまいさが、お分かりいただけましたでしょうか。
媒体の定義による「映画ファンターゲティング」は、配信ボリュームに優れているのですが、ターゲティングの精緻さに課題が残るのです。
「シアター・ターゲティング」が解決策?
こうした課題に対して、ご案内したい解決策が「シアター・ターゲティング」です。これは、PANDAのデータソースの一つである「シアターデータ」を、ターゲティングに活用したデジタル広告の配信手法です。
「シアターデータ」とは、チケット購入や作品情報を閲覧するために劇場Webサイトを訪れたユーザーのデータです。オンラインチケット購買データや訪問ページ履歴を含んでおり、広告配信や効果検証に活用できます。
「シアター・ターゲティング」は、劇場で映画を観るユーザーへ、正確に広告を配信できるのが特徴です。目的に応じて、そのセグメントの切り口は多様です。例えば、下図のようなイメージです。
「シアター・ターゲティング」は、YouTube、InstagramといったSNSや、国内の優良サイト群(アドネットワーク)に対応しているため、幅広いタッチポイントでポテンシャル層に訴求可能です。
また、再び重要なポイントとして、媒体の定義する「映画ファンターゲティング」に比べ、「シアター・ターゲティング」では、コンバージョン率がおよそ30~100倍上昇する、という結果が出ています(コンバージョン=オンラインチケット購入については、第3回でご案内します)。こうした数字からも、劇場公開作品のプロモーションにおいて、「シアター・ターゲティング」は強力な武器となることが分かります。
本当に効果的なデジタル広告のターゲティング
では、本当に効果的なターゲティングとは、「シアター・ターゲティング」だけを使うことなのでしょうか? PANDAは、そうではないと考えています。
「シアター・ターゲティング」は精緻さに優れるものの、配信ボリュームは限られる傾向にあります。一方で、媒体の定義する「映画ファンターゲティング」は配信ボリュームに優れ、リーチを広げる目的において有効です。2つのターゲティング手法が双方を補完していることにお気づきでしょうか。すなわち、本当に効果的なターゲティングとは、2つのターゲティングの“合わせ技”なのです。
その際、デジタルメディアプランニングの順序は下記のようになるでしょう。
1. 「シアター・ターゲティング」で狙うべきコアターゲットを定め、ボリュームを把握し、必要予算を確保する。
2. 残予算で「映画ファンターゲティング」を利用し、リーチを広げていく。
あくまでも、第一に狙うべきは媒体の定義する「映画ファン」ではなく、「シアター・ターゲティング」の対象ユーザーである、と考えています。劇場公開作品のデジタルメディアプランニングは、限りある予算の中で、この2 つのターゲットのバランスを最適化することが極意である、といえるでしょう。
「PANDA」では、「シアター・ターゲティング」を主力とした、最適なデジタル広告プランを立案することが可能です。是非、お気軽にお問い合わせください。
まとめ
- デジタル広告の本質的な目的は、
「興味層を拡大し、意欲層に転換する」こと。
ターゲティング機能はそのための有効な手段 - 本当に効果的なターゲティングは、
劇場映画鑑賞層を正確に捉えられる「シアター・ターゲティング」と、
リーチ重視の「映画ファンターゲティング」の組み合わせ。
PANDAはその最適なバランスのご提案が可能
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