第2回:映画興行と配給が直面する脅威と課題
公開日: 2023/02/15
2022年12月、タイのバンコクで開催されたアジアの映画興行・配給事業者向けコンベンション「CineAsia(シネアジア)」より、ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ・インターナショナルのカート・リーダー氏の基調講演「State of the Industry Keynote Address “Where Do We Go From Here”」の模様をレポート。コロナ禍が映画業界に与えた影響と、業界が今後発展していくために学ぶべき教訓について、過去、現在、未来の状況からリーダー氏が読み解きます。
カート・リーダー(Kurt Rieder)
ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ・インターナショナル(Warner Bros. Pictures International):APAC地域劇場配給担当、シニア・バイス・プレジデント
特集連載第2回は、映画興行会社と配給会社が直面している脅威と取り組むべき課題についてリーダー氏が解説します。映画ビジネスの未来の担い手となる若者が関心を寄せるTikTokの脅威とともに、TikTokを発端とした10代のムーブメントが映画に与える好影響など、映画業界の今に切り込みます。
※本記事で触れられている内容は2022年12月時点の情報です
映画業界が直面している脅威は、「常時ネット接続」下におけるTikTokなどのショート動画
私たちのビジネスの将来はいかに若者を取り込めるかにかかっています。しかし、現時点で若者はショート動画、TikTokに時間を割いています。2021年に米国でTikTokが視聴された総合計時間をみるとNetflixの2倍を記録しているほか、1ユーザーの月間平均視聴時間ではFacebookとInstagramを足し上げた時間と並んでいます。
NetflixとTikTokは非対称な関係として表現できます。制作に携わる人数を比較すると、TikTokは圧倒的に多いことが分かります。一方で、TikTokユーザーが制作にかける資金とNetflix1社が明らかにしている制作資金を比較すると、TikTokは遥かに少ないことも分かります。つまり、TikTokは地球上でもっとも効率的なメディア企業であり、我々が直接対抗するのは非常に難しいことなのです。
ショート動画をけん引するもう一つのサービスであるYouTubeを取り上げましょう。YouTubeは現在、……(以下、会員限定記事にて掲載)
※本記事はGEM Standard会員様限定となります。
新規登録(無料)いただくと閲覧いただけます。
新着記事
-
『薬屋のひとりごと』推しファン人数記録更新、『Snow Man』推しエンタメブランド価値2カ月連続で1位~2025年6月エンタメブランド調査結果
(2025/06/25) -
映画産業の発展を技術・AIが後押しする可能性~映画とAI活用の現在地
(2025/06/20) -
『8番出口』『国宝』はじめ、カンヌ国際映画祭上映作品の話題度・浸透度
(2025/06/13) -
キャストとドラマの関係を可視化、『本田響矢』放送後に推しファン増加~4月ドラマのヒット分析【後編】
(2025/06/06) -
ファン熱量の『最後から二番目の恋』、キャストパワーの『キャスター』~4月ドラマのヒット分析【前編】
(2025/06/06)
新着ランキング
-
劇場公開映画 認知率 週間TOP10【最新週】
(2025/06/30) -
劇場公開映画 週末動員ランキングTOP10【最新週】
(2025/06/30) -
劇場公開映画 週末動員ランキングTOP10(2025年6月20日~6月22日)
(2025/06/30) -
劇場公開映画 認知率 週間TOP10(2025年6月21日実査)
(2025/06/30) -
音楽アーティスト リーチpt 週間TOP10【最新週】
(2025/06/26)
アクセスランキング
(過去30日間)
-
動画配信の国内市場規模は5,930億円(24年、前年比3.3%増)、2029年には7,873億円規模へ
(2025/02/28) -
2024年の定額制動画配信市場は推計5,262億円、U-NEXTがシェア最大の伸び、6年連続首位のNetflixに迫る
(2025/02/25) -
『8番出口』『国宝』はじめ、カンヌ国際映画祭上映作品の話題度・浸透度
(2025/06/13) - ランキング ジャンル別一覧
-
定額制動画配信サービス 週間リーチptランキングTOP20【最新週】
(2025/06/26) -
「映画館離れ」と「映画離れ」の今
(2024/10/04) -
U-NEXTがシェア拡大し5年連続首位のNetflixに迫る、成長続く定額制動画配信市場は5,000億円超え(前年比12.1%増)
(2024/02/16) -
クランチロール幹部が見据える10億人のアニメファンを「配信から劇場」へ導く戦略~カンヌ国際映画祭2025
(2025/05/30) -
プロ野球の球団人気は成績に左右されるのか、推しファン人数セパ最多『阪神』『日本ハム』ほか球団別に分析
(2025/04/28) -
ファン熱量の『最後から二番目の恋』、キャストパワーの『キャスター』~4月ドラマのヒット分析【前編】
(2025/06/06)