『ボヘミアン・ラプソディ』大ヒットの背景をCATSデータで探る
公開日: 2018/11/30
『ボヘミアン・ラプソディ』
公開中
© 2018 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.
<シネマの週末・データで読解:週末興行成績(24、25日)>
1. (ー) | ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生 | (1週目) |
2. (1) | ボヘミアン・ラプソディ | (3週目) |
3. (4) | スマホを落としただけなのに | (4週目) |
4. (3) | 人魚の眠る家 | (2週目) |
5. (2) | ヴェノム | (4週目) |
6. (5) | ういらぶ。 | (3週目) |
7. (6) | 映画HUGっと!プリキュア・ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ | (5週目) |
8. (7) | Burn the Stage:the Movie | (2週目) |
9. (ー) | 日日是好日 | (7週目) |
10. (ー) | souvenir the movie −Mariya Takeuchi Theater Live− | (1週目) |
※()の数字は前週順位。興行通信社調べ
先週末は『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』が連休3日間で興行収入15億円近い大ヒットスタートだったが、もう一つ圧倒的な展開を見せたのが、ロックバンド・クイーンのフレディ・マーキュリーを描いた『ボヘミアン・ラプソディ』。公開後2週連続で動員が増える異例の展開となった。このような展開は『アナと雪の女王』『この世界の片隅に』以来。
公開時点で鑑賞意欲度が高かったのは「クイーン世代」含めた40、50代。その後、20、30代の意欲度が上昇した。クイーンを「再発見」した人たちが、新しい世代のクイーン「発見」を促している。メディア露出も公開後に加速し、鑑賞頻度が低い層の意欲度も上昇。コア層からライト層・若い人へ広がり、ヒットがさらにヒットにつながる好循環の展開。観客が拍手や発声をしてもよい「応援上映」も広がっている。

映画がどこでも見られるようになっている中、なぜ人は映画館へ行くのか? ここ数年の傾向では、「日常生活からの解放」「異なる世界・人生の体験」「他の鑑賞者との一体感」を得る“特別感”が強く求められていて、映画館で見ることは「暇つぶし」ではなくなってきている。こうした市場ニーズの充足を本作のヒットに感じる。

(GEM Partners代表、梅津文)=毎月最終金曜日掲載
◆掲載元◆
毎日新聞:シネマの週末・データで読解 『若い世代に飛び火』(毎日新聞2018年11月30日 東京夕刊)
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