夏興行のHiGH & LOW
公開日: 2017/08/25
![]() |
(C)空知英秋/集英社 (C)2017「銀魂」製作委員会 |
「やや冷夏気味」の夏興行
7月1日から先週末までに公開された作品の中で、最終興行収入見込みトップ3は、まずディズニー人気シリーズの第5弾、「パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊」。先週末ランキングではトップ10圏内を外れたが、60億円を超えて70億円に迫る勢いだ。
その勢いに追るのがランキング2位快走中の「怪盗グルーのミニオン大脱走」。そして、3位の「銀魂」は人気浸画・アニメの実写映画化だが、10~20代男女の強い支持を集めて30億円を突破した。
近年の夏興行と比べ、全般的には「やや冷夏気味」。10億円超え見込みの作品は多く、粒ぞろいともいえるが、昨年の「シン・ゴジラ」のように80億円を超える作品がなく、低めの興収でおさまっている。夏休みの映画館は平日も高稼働であり、普段より興収成績の伸びが高いのだが、今年は例年と比べて全般的に伸び悩んだ。初速で「爆発的スタート」となって話題性が広がったり、あるいは、ロコミによる腰の強い興行となったりする作品が少なかった。
![]() |
【図】夏興行のジャンル別内訳 ※ |
ジヤンル別にみると、邦画洋画ともに例年よりも実写作品が健闘。前出の「パイレーツ~」「銀魂」に加えて、「君の膵臓 (すいぞう)をたべたい」「忍びの国」「スパイダーマン:ホームカミング」も20億円超えの見込み。
秋は大人向けの実写作品の公開が増えるが、うまくバトンが引き継がれ、「実りの秋」となることに期待したい。
(GEM Partners代表、梅津文)=毎月最終金曜日掲載
◆掲載元◆
毎日新聞:シネマの週末・データで読解 「「やや冷夏気味」の夏興行」 (毎日新聞2017年8月25日 東京夕刊)
※集計作品の抽出条件は、各年の7月から8月中旬(7月最初の週末から数えて8週目の土日までの間)までの間に公開された映画かつ100スクリーン以上で公開された(される見込み)のもの
新着記事
-
AIと映画製作者が共存していくには~釜山国際映画祭2025
(2025/10/17) -
AIは映画制作者の才能を開放する:先端テクノロジーがコンテンツ産業にもたらす効率化と民主化の波~釜山国際映画祭2025レポート
(2025/10/10) -
東京ゲームショウ史上最多の出展社数、『ドラクエ』『モンハン』人気シリーズの新作タイトルが集結
(2025/10/10) -
Anime NYC昨年比146%の14.8万人を動員~米国で確立した日本アニメのファンコミュニティ
(2025/10/10) -
ゲーム市場への他業種参入:花王、松井証券によるゲームを活用したマーケティング戦略~TGS2025
(2025/10/02)
新着ランキング
-
音楽アーティスト リーチpt 週間TOP10【最新週】
(2025/10/17) -
マンガ リーチpt 週間TOP10【最新週】
(2025/10/17) -
映像 リーチpt 週間TOP10【最新週】
(2025/10/17) -
定額制動画配信サービス 週間リーチptランキングTOP20【最新週】
(2025/10/17) -
メディア横断リーチpt 急上昇TOP10【最新週】
(2025/10/17)
アクセスランキング
(過去30日間)
-
2024年の定額制動画配信市場は推計5,262億円、U-NEXTがシェア最大の伸び、6年連続首位のNetflixに迫る
(2025/02/25) -
動画配信の国内市場規模は5,930億円(24年、前年比3.3%増)、2029年には7,873億円規模へ
(2025/02/28) -
『鬼滅の刃』2カ月連続首位、『Snow Man』過去最高の推しファン人数を記録~2025年9月エンタメブランド調査結果
(2025/09/26) -
劇場公開映画 週末動員ランキングTOP10【最新週】
(2025/10/14) - ランキング ジャンル別一覧
-
定額制動画配信サービス 週間リーチptランキングTOP20【最新週】
(2025/10/17) -
『ミャクミャク』『ラブブ』の人気急上昇、新興キャラクターの推しファン構成を老舗と比較
(2025/10/02) -
25年上半期エンタメブランド振り返り(後編)~「推しファン分析マップ【デモグラ編】」でトレンドの性年代分布を俯瞰
(2025/07/11) -
推しファンが作る総合価値を年代別にランキング:VTuber、アイドル、ギャンブル、ガンダムなど傾向が明らかに
(2025/08/01) -
『国宝』と推し活:『歌舞伎』ファン若年化、『吉沢亮』を国民的推しに
(2025/09/02)